誰かが飛んだ
京子さんはその日、いつもの様に早朝のプラットフォームで電車を待っていた。 片道一時間の通勤電車にもようやく慣れ始めたとはいえ、人混みの中電車を待ち、これから満員電車に揺られ行くのだと思うと、…
京子さんはその日、いつもの様に早朝のプラットフォームで電車を待っていた。 片道一時間の通勤電車にもようやく慣れ始めたとはいえ、人混みの中電車を待ち、これから満員電車に揺られ行くのだと思うと、…
江津子(エツコ)さんには名古屋に住んでいる伯母が居る。 母親の姉に当たるその伯母の事を彼女は「名古屋の伯母ちゃん」と呼び懐いていた。 母方のお墓が静岡にあり、毎年お盆の時期になると江津子さ…
これは、かなり古い話になります。 1984年の夏の出来事でした。 当時わたしは高校を卒業し、F県の専門学校に入学しました。 その専門学校は、高等科『中卒』専門科『高卒』のコースがあり、…
僕が高校まで過ごした実家は、周りを山や田んぼに囲まれた所謂「山間集落」にある。 それでも同世代の人間はそこそこいて、その集落の中にも小規模ではあるが、小学校、中学校もあった。 中学3年の…
「先生、患者の容体急変です! すぐICU入室お願いします」 ボクのピッチが集中治療室へ入れとがなり立てたのは、 午後の休憩時間の時だった。 患者は4日前に救急車で運び込まれてきた男児である…
小学生の頃。 父との死別で母子家庭だった兄と私は、母が心の病気になったことで、母の実家のある某県に移住した。 兄は当時小学5年生、私は3年生だった。 話の便宜上、仮にだが、名前を兄・ユウ…
中学一年の時の話である。 私が通う中学校は、私が入学する五年程前に、火事で焼失して建て替えられたので、まだ新しい四階建てのきれいな校舎だった。 二学期が始まって間もなく、ある噂話が持ち上…
Dさんはその日、買ったばかりの新車に乗り込み、週末の深夜ドライブへと向かった。 近くの林道を走り、二時間ほどのドライブを楽しむつもりだった。 が、そんなDさんのささやかな思いは、前方に広が…
地元のローカル雑誌の記者をやっているSさんは、夏の特集に、地元にある曰く付きの場所を紹介するというホラー企画を組んだ。 幽霊の目撃場所や自殺の名所などを実際に取材し記事にするといった内容だ…
これは、作者コオリノが体験したお話です。 当時私は小学校六年生で、その日は蒸し暑い夜だったため、中々寝付けませんでした。 両親はその日親戚の家で祝い事に参加しており、家には私だけ。 ベッ…
去年の秋、色々うまくいかなくて参ってた時期があった。 愛犬が死んで、お袋に癌が見つかって、夢も叶えられずにフラフラとフリーターを続けていて……。 極め付けが、三年付き合った彼女に、他に好…
これは私が小学3年生のときにあった本当の話。 学校から帰った後、近くの公園で友達と遊んでいた私は、 夕方になったので家に帰ることにしました。 友達と別れ、一人でトボトボ家に向かいます。 …