玄関先の背中
知り合いのKさんから聞いた話だ。 その日Kさんは、友人に頼まれて家の留守番を任された。 友人は家族で旅行に出かけるそうだが、残していくハムスターが気がかりなので、家を開けている間の世話をお…
知り合いのKさんから聞いた話だ。 その日Kさんは、友人に頼まれて家の留守番を任された。 友人は家族で旅行に出かけるそうだが、残していくハムスターが気がかりなので、家を開けている間の世話をお…
俺の幼馴染である八潮には霊感がある。 20年近くの付き合いにも関わらず、それを知ったのはつい数年前のことだ。 オカルト好きの俺が、八潮に根掘り葉掘り聞くと、奴は酷くめんどくさそうな顔をし…
「じゃな、バーイ」「……」 「バーイ」 「……」 「って、ちょっ、待てよw」 オレとヨシキ、カズマの三人は、 この春から同じ中学に通うことになったクラスメイトだ。 なんとなく気が合い、いつ…
月曜の朝、腹痛と共に目を覚ます。 トイレで唸りながら、治まり次第出勤しますと会社に連絡を入れ、9時過ぎにようやく快復の兆しが見えてきたので、いつもより2時間半遅れで家を出た。 まだ若干痛…
日も暮れかける夕方、私は毎日散歩に出かけます。 今年から飼い始めた芝犬の散歩のため、慣れ親しんだ近所を30分ほど歩き回る訳です。 そして家から十分ほど歩いた先の保育園に沿った道で、毎日、其…
これは、古い空き家などをリフォームし、古民家として再利用する事を生業としていた、自治体のメンバーであるAさんと、私こと狐が体験した話。 その日、Aさんの家に泊まりに行った狐は、Aさんの仕事…
民宿を経営しています。 客室掃除が終わり、いい天気だったのでついつい『また掃除機かければいいや』と、大の字になって眠ってしまいました。 入り口と窓は開け放ったままです。 どのくらい眠ってい…
「もうこんな時間か、明日も仕事だし今日はこれで帰るわ」 その日、新居祝いにと友人の住むマンションを訪れたのだが、久々の再開というのもありついつい長居してしまった。 「ああ、今日は来てくれてあ…
タクシー運転手の坂本さんはある事で悩んでいた。 それは、家からたまに女の悲鳴が聴こえるというもの。 坂本さんの家は二階建ての一軒家で、家族は妻と娘と息子の四人暮し。 最初は二階の息子達が大音…
京子さんはその日、いつもの様に早朝のプラットフォームで電車を待っていた。 片道一時間の通勤電車にもようやく慣れ始めたとはいえ、人混みの中電車を待ち、これから満員電車に揺られ行くのだと思うと、…
江津子(エツコ)さんには名古屋に住んでいる伯母が居る。 母親の姉に当たるその伯母の事を彼女は「名古屋の伯母ちゃん」と呼び懐いていた。 母方のお墓が静岡にあり、毎年お盆の時期になると江津子さ…
これは、かなり古い話になります。 1984年の夏の出来事でした。 当時わたしは高校を卒業し、F県の専門学校に入学しました。 その専門学校は、高等科『中卒』専門科『高卒』のコースがあり、…