むっしょい
6年生の夏休み、お盆の頃の話。 もうあと僅かばかりの命を嘆く様に朝から蝉が鳴き叫び、扇風機が結びつけられたリボンをヒラヒラさせながら生ぬるい風を送り付けてくるので、 学習ドリルに一文字も書…
6年生の夏休み、お盆の頃の話。 もうあと僅かばかりの命を嘆く様に朝から蝉が鳴き叫び、扇風機が結びつけられたリボンをヒラヒラさせながら生ぬるい風を送り付けてくるので、 学習ドリルに一文字も書…
小学校6年生の時の話。 当時、私が住んでいた付近は田んぼと畑だらけの地域だったが、 急速に宅地開発が進んだ結果、小学校の児童数が急激に増え、 運動場の隅にプレハブ教室を建てるも間…
小学校高学年の夏休み、九州のとある県に住む伯父さんのところに遊びに行った時の話。 毎日、色んなところに連れて行ってもらったり、地元の美味しいものをたらふくごちそうになったり、夜には花火をし…
小学3、4年生頃の冬の話。 家族で母方の伯母の家に遊びに行き、晩御飯をよばれた後、そろそろ帰ろうかとなった。が、ちょうどその時間、観たいテレビが始まろうとしていた。 今帰ると、家に着くころ…
小学5年の夏休みの話。 大阪の端っこの、田畑と里山に囲まれた地域に住んでた私の夏休みの日課は、朝4時に起きることだった。 夏とはいえ、まだ陽も昇らない暗い時間に目覚ましで起きた私は、服を着…
ある空気の澄んだ夜、中学生の息子と二人でマンションの屋上に星空を観察しに行った。 屋上の床に仰向けになると、視界すべてが星空になって、宇宙空間を漂うかの様に錯覚した。 その昔、天文少年だっ…
私は、幼稚園を追い出されたことがある。 理由は、「ずっと泣いていて面倒を見切れない」からだった。 私がずっと泣いていた理由──。 幼稚園には、怖い女の人がいた。 乱れた長い髪に、どす黒く…