病院廊下の怪人
不摂生と親からの体質遺伝のおかげで、人工透析を受ける身となった。 医者はデータも改善しているし、透析を導入して正解だったとご満悦だが、私は不満いっぱい。普通ならば水分を排泄できず、増えた体重(…
不摂生と親からの体質遺伝のおかげで、人工透析を受ける身となった。 医者はデータも改善しているし、透析を導入して正解だったとご満悦だが、私は不満いっぱい。普通ならば水分を排泄できず、増えた体重(…
これは昭和の末、私が小さな広告代理店兼デザイン事務所に勤務していたころの話。まだバブルの余韻が残っており、零細企業でもなぜかやたらと忙しかった。 私の本職はコピーライター、しかも専門分野が政治…
これは笑えるんだけどシャレにならんかった話。 30代半ばのころ、気まぐれである山奥に女房と猫数十匹を引き連れて移り住んだ。まあ呑気な山奥で、正直なところ住人の性格は本当に良くなかったが、いろん…
これも劇団時代の話、ある公演の最中にいつも歌唱指導とかピアノ演奏とかお願いしている音楽家の先生が、ひょっこりと楽屋に顔を出した。 小柄で温厚、無類の好人物。ただ一つ欠点があるとすれば、女性に優…
どこでも劇場や劇団といった場所は、必ずと言っていいほど因縁話がある。 まあこれもその一つだけど、あんまり怖くない。どちらというとほっこりする話。 昔、小さな劇団でスタッフをやっていたんだけど、…
私には一時、ひどい悪癖があった。いわゆる拾い癖…といっても何かものを拾ってくるわけじゃない。霊専門である。 そんな私をいつも助けてくれていたお師匠さん的なお爺さんによれば、一週間7日あったら6…
広告会社に勤めていたころ、バカ社長が自己啓発とやらにどっぷりはまった。ろくに給料も払わないくせに、社員全員(といっても7人ほど)に2泊3日の研修に参加させるという。しかもくそ忙しい時期に!もち…
もうかれこれ40年前の話。 私はあるタウン誌の編集アルバイトをしていた。 夏の恐ろしく暑い日、とにかくやりたくない仕事が回ってきた。 隣県まで含めた家電量販店などを回り、商品価格の比較をす…
幽霊といっても、皆が皆、怖いというものではないという話。 私が古本屋の倉庫として借りていたところはだだっ広い工場の跡地。つくりも実に簡素でその上広すぎて冷暖房も入れられない。そこに絶版文庫とミ…
かれこれ30年以上も前の話。当時、フリーライターだった俺はよく企業経営者のインタビュー記事を書いていた。 これは余談だが、まだ30前の若造だったが、恰幅がよくひげを蓄えていたために、年齢よりも…
流行らないジャンルばかりを集めた古本屋を経営していた時のこと。 業者同士の交換市に出かけて、まあ誰も興味を示しそうもない戦後間もなくのごみ本を仕入れてきた。 まあそれも売れないだろうが、一冊だ…
片田舎で小さな古本屋お経営していた時のお話。 ある家から古本の買取の依頼があった。90過ぎて大往生されたその家のおばあさまの本が大量にある、処分してくれないか、というものだった。 時は平成の初…