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幽霊の正体

キミも実験して知っていると思うが、人は後頭部のあたりで量子を感知したり、発信したりしている。
アメリカで911テロが起きた時、世界中で量子の乱れが爆発的に観測されたりもしたじゃないか。
ここからボクは、人間の脳は量子を受信したり、
発信したりできるアンテナのような特殊な臓器であると考えた。
もちろん、現代医学では脳と言うのは神経末端のレセプターにセロトニンやドーパミン等の
脳内化学物質が伝わることでいろいろな感情を引き起こす、
化学的メカニズムで出来た臓器だということはわかっている。
だが、脳が化学とは別に量子を発信したり、
受信したりできるアンテナのような機能を隠し持っていると仮定すると
いろいろなことが見えてくる。

例えば、心霊現象についてだ。
実はボクは幽霊の正体は量子ではないかと思っている。
脳が量子のアンテナだとすれば、それが強い人、弱い人という個性が出るはずだ。
これが霊感がある、ないという個性に現れる。
量子で出来ている幽霊を強く感じる人とまったく感じない人がいる理由だ。
そしてもうひとつ。
脳の仕組みも心霊現象に大きく関わっている。
知っての通り、脳には右脳と左脳がある。
通状、脳は中央の脳梁と呼ばれる部分でつながっており、
そこを情報が正しく行き来することで正しい判断をすることができる。
ところが、ここを行き来する情報が一時的に激しくなり、
自分でコントロールできなくなることがある。

それが「てんかん」と呼ばれる発作だ。
この「てんかん」の治療方法のひとつとして、脳梁離断手術というものがある。
簡単に言うと、右脳と左脳をつなぐ脳梁を切断することで、無駄な情報の行き来がなくなり、
「てんかん」の発作が消えるというものだ。
だが、右脳と左脳はそもそも担当している部位が違う。
脳梁を切断してしまうと、 まるで別人格が体の中にもう一人いるような行動をすることがあるんだ。
右脳は体の左を担当し、左脳は体の右を担当する。
また言語を担当するのは左脳で、 感情を担当するのは右脳だ。
なので、脳梁離断手術をすると左目で見たものを右手でつかむことができなくなったり、
右目で見たものを言葉にすることができなくなったりと、ちぐはぐなことが起きる。
右脳の感情は、左脳とつながっていないため一切言葉として出なくなる。
泣きながら大騒ぎする自分をもうひとりの冷静な自分が離れて見ているような、そんな感覚にとらわれる。

そこからボクはあることに気が付いた。
霊が量子だとして、脳が量子を受信できるアンテナだとすれば、
波長がうまく合えば霊は他人の脳の中に入ることができる。
その時に、感情を司る右脳に入り込んだ霊は感情のおもむくままに騒ぎ出す。
左脳に入り込んだ霊は「入れた入れた」と喜びの声をあげることもある。
うまくすべての脳を支配できれば、霊はもうひとりの人格として生きていけるのだ。
霊の姿をよく目撃する心霊体験者もいると思うが、彼らが見ているのは実は本当の霊ではない。
あれは霊が脳に入り込んでいて、目ではなく脳自体に直接姿を投影しているのだ。
だから本当の霊は今見えている目の前にはいない。
自分の脳内にいるのだよ。
逃げたって無駄だってことだ。

ところで、こんな話を延々としたのは、実は今度の手術にキミも立ち会ってもらいたいからだ。
良いサンプルを入手した。
子供のころから霊感があると言い、現在も幽霊の存在にさいなまれている若い女性だ。
彼女の量子量は確認している。とてつもない量だ。
彼女を生きたまま開頭し脳梁離断手術をすることで、
霊を右脳か左脳か どちらかに閉じ込めることができる可能性がある。
そうなったときの彼女の反応で、脳と霊のつながりがわかってくるはずだ。
心配いらない。彼女は別の病気の名目ですでに我が病院で確保している。
薬を飲ませながら、手術の同意書へのサインも書かせたよ。
死亡してもなんとでも言い逃れできる。 あとはやるだけだ。
キミだって前に興味があるって言ってたじゃないか?
こんなチャンスはめったにない。
本物の霊能者のサンプルなんだからな。
この研究結果は、きっとキミの研究にも役立つはずだよ。
次の日曜日、ボクの病院にきてくれ。用意しておくよ。

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