修学旅行の写真

 これと言ってオチがあるような話では無いですし、 短い話ではあるのですが、 お聞きください。

 中学校の修学旅行で京都を訪れた時の話です。
 もう5~6年前の話なのであまり覚えてはいないのですが、 確か2泊3日で1日目は奈良で大仏見たり鹿さんに煎餅をあげたりして楽しく過ごしていました。
 1日目の夕方頃に京都の古い旅館にとまり、 クラスみんなですき焼きなどを食べて、 クラスのまとめ役みたいな女子が「写真撮ろ!」って言って、 皆でピースして写真を撮ったのを覚えています。
  2日目は清水寺とか行って、 普通に京都を散策して、 美味しいものを食べたなぁぐらいの思い出です。
 3日目は大阪に行って、 1時間ちょいの自由時間が与えられて、 大阪城を散策したり、 道頓堀を行ったりして、 あっという間にバスに乗って、 寝てて気付いたら自分の中学校に着いてて。
 家に着くまでが修学旅行ですーとかなんとか言われて家に帰ったのを覚えています。

 修学旅行が終わって一週間、 あるいは二週間が過ぎた頃でしょうか、 同じ修学旅行の班だった友達に、 「修学旅行の時の写真現像出来たからあげるね!」 と、班の皆に配られました。
「ありがとう!」 と言って、私は鞄にしまい、 家で見ることにしました。
 家に帰って貰った写真を見返してみると、 私はそんな笑う方でもないのですが、 初めての関西ではしゃいでいたのが、 とても楽しそうに笑っています。
 戻りたいなぁとか思っていた時、 最後の写真に違和感を覚えました。

 その写真というのは、 1日目に京都に泊まった時に撮った写真でした。
 ご飯を食べてる時に「ピースしてー!」と、 クラスのまとめ役みたいな女子が言って撮られた写真。 写ってるのは私含めて3人です。
 私とあとは部活が一緒の子とその幼なじみ。 3人ともピースして笑っています。
 一見なんも変哲もない写真なのですが、 私は違和感に気が付きました。
 部屋に窓があるのですが、 外はシャッターなのか刑事ドラマでよく見る覗くやつなのか、 障子なのかは覚えていませんが、 窓の外の景色は見えなくて、 その前は誰も立っていないはずなのに、 私たちが着てる中学校の体操服とはちょっと違うような、 体操服姿の女子が窓に小さく映ってカメラの方を向いていました。
 変だなぁって思いながらもうちょい見てみたら、 同じ窓に何個かの顔があり、 部活が一緒の友達のピースしている人差し指と中指の間にもやと言うか影というか、 なんだから分からないけど何かが通っている残像?みたいなのがあって、
 怖いし友達のことも心配になったので、 霊感がある母親に見てもらったら、 「これはただ通りかかっているだけの霊だから大丈夫」 って言われて安堵した涙が出たのを覚えています。

 母曰く、 私が見つけた顔よりもっととんでもなく多い数の顔が、 窓に映っているのが見えたらしくて、 「多分修学旅行で亡くなられたんだね」ってさらっと言われたのが怖かったです。
 心霊写真って適当にほっといたり捨てたりしたらダメって聞いたことがあるので、 その写真だけ別の封筒に入れて塩を入れてちゃんと封をして引き出しにしまいました。
 後日学校で映っている友達に写真のことを言おうとしたのですが、 昨日しまったはずの所に何故か無くて、 5〜6年経った今でも見つかってはいません。

 この話は以上なのですが、 こんなことがあった一週間以内に、 母が急に「誰?そこで息してるの」って誰もいない机の方を見ていたことと、
 私が玄関と廊下を繋ぐドアを通り過ぎた時に、 呪怨みたいなよくホラー映画で出てくるような、 排水溝みたいな、 伝わるか分からないけど、 そんな声がしたのは、 何か修学旅行のあの消えた写真と、 関係があるのでしょうか、、、?

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