小学4年生の夏。
僕は宿題に追われていました。
なんたって今日は夏休み終了3日前。
何故もっと早く手を付けなかったのかと思いながら、 僕は宿題を進めていました。
始めて何時間経ったんでしょうか、
喉が渇いた僕は一階の台所へ麦茶を飲みに行きました。
宿題に嫌気がさしながら麦茶を飲んでいると突然、
「バタバタバタッ」「バタバタバタッ」と、
2階を駆け回る足音がしました。
徐に1階のリビングから母さんが出てきたと思ったら、 2階へ上がる階段の下から僕の名前を呼び、 「何走ってるの!静かにしなさい!」と叫びました。
僕は母さんの声に驚き、急いで階段へ向いました。
そして、階段下にいる母さんに
「僕、ここにいるけど・・・」と言いました。
その瞬間、2人して血の気が引くのがわかりました。
何故なら家には今、 僕と母さんの2人しか居ないのです。
そしてもう一つ、 僕は気づいている事を母さんに伝えました。
「足音、2人分あったよね」
母さんは何も言わずリビングに戻ってしまったので、
僕もビクビクしながら部屋に戻りました。
扉を開け部屋に入ると、 散らかった宿題、
部屋の隅に正座している着物の女性。
僕はいつもと変わらない部屋に安堵しました。
「さぁ、宿題するか」