これは私が実際に体験した少し不思議なお話です。
それは私が小学校低学年の時のことです。
ある日の昼下がり、2階の両親の寝室のベッドに寝転がってテレビを見ていました。
うちの実家のテレビは、当時どこの家庭にもある小さなブラウン管のテレビで、父親のベッドの横に置いてありました。
一階でテレビが観れない時、私はいつも二階のそのテレビを観ていました。
その時に何のテレビ番組を見ていたかは覚えていませんが、いつしかうたた寝をしてしまいました。
すると、ベッドの横にあるテレビからザーーっと砂嵐の音が聞こえ、その音で目を覚ましました。
「おかしいな、番組を見ていたはずなのに」と思い、目をこすりながらその砂嵐を見ていると、あることに気づきました。
画面が小さいのと「それ」が小さくて見えづらかったのですが、よく見るとテレビの真ん中から、真っ白な和服を着た老婆がこちらを向いて立っていたのです。
初めは何かの番組か?と思っていたのですが、画面に変化が無いので、テレビのチャンネルを変えるためリモコンに手を伸ばしました。
ところが、体が動かないのです。
私は頭がパニックになり、その時どうしたのかよく覚えていないですが、そのうち体が動くようになりリモコンでチャンネルを変えました。
ほっと安心して、その後、先程の老婆の映った番組を探そうとしましたが、全く見つかりませんでした。
実はこの体験、数年後にも同じような体験をしているんです。
二回目は中学三年生の時でした。
その時は夜の十時くらいで、一階では母がいつもの韓国ドラマを見ていました。
仕方なく僕は、いつも見ていたバラエティ番組を2階の両親の寝室のテレビで見ることにしました。
いつも通りベッドで寝転びながらテレビを見ていたのですが、いつの間にかうたた寝をしていました。
するとベッドの横のテレビから横からザーっと砂嵐の音が聞こえてきました。
横を見ると砂嵐の画面で、テレビの真ん中から真っ白な和服を着た老婆がこちらを向いて立っていました。
僕はその時、「昔見たことあるぞ?」と思いながら見ていると、ある事に気付きました。
老婆は少しずつこちらに近づき手招きをしているのです。
白い和服に真っ白な髪を振り乱している老婆、表情は冷たいほどの無表情でこちらをじぃーと凝視し、少しずつ近づいているのです。
初めは聞き取りにくかったですが、だんだんと近くになるので聞いていると、「こっちにおいで、こっちにおいで」と言って手招きをしているのです。
僕は「これはヤバい」と思い、すぐに起き上がり猛ダッシュで一階におり、母に先程のことを伝えました。 母
はその時、韓国ドラマを見ていて全く取り合ってくれませんでした。
私はしばらくパニックになっていましたが、部屋に戻りたくないのでそのまま母と一緒にドラマを観ました。
その後のオチは無いですが紛れもない実話です。 あの体験は一体何だったのでしょうか。
あの老婆は誰だったのか、 どうして二度も同じテレビに映っていたのか。
今はそのテレビも無いし、私は家族を持ち別の場所で暮らしており、そういった体験もありません。