花咲じいさん?

私の祖父は庭の手入れをよくしており、木々の世話、家庭菜園、

冬には雪で木々が押しつぶされないよう雪囲いをやれるなど とても器用な人でした。

 

祖父が世話をしていた庭木の中にねむの木という種類の気がありました。

ねむの木は初夏にきれいなピンク色の花が咲きます。

叔母の一人がこのねむの木の種を引き取り、叔母宅の庭に植えましたが なかなか花が咲かなく

「やはりお父さんには適わない」

と言っていました。

 

祖父は私が中学一年の六月に亡くなりました。

その後、庭木の世話は父が引き継いで現在もきれいな花々が咲いています。

 

一年後の盆、親戚一同集まり、祖父の話をしておりました。

その時、ねむの木を自宅で育てている叔母が言いました。

「お父さんが亡くなった年、お父さんが夢に出てきたの。

ただ遠くにいるだけ、笑っているようでもあったけどよく覚えてない。

それと関係あるのかどうかわかないけど、今年はねむの木の花が咲いたの。

今まで全然咲かなかったのに・・・」

 

うちの祖父は花咲じいさんなのかもしれません。

朗読: おひるね怪談

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