ここに住み始めて24年になります。
戦後すぐに建った古い一軒家。
住んですぐに彼と出会う様になりました。
70歳位でしょうか?
時々お風呂のドアの所に立っていました。
大家さんに以前に住んでいた方は、亡くなっているのですか? と不躾にも聞いた事があります。
前に住んでいたYさんは、
では、Yさんではなく彼以前に住んでいた方だったのでしょうか?
入居当時は、まだ私もクリスチャンではなく、
どちらかと言えば科学信奉者で、
ある日の事です。
お風呂に入っていて洗い場で髪を洗っていました。
湯船に浸かっている謎の老人。
シュールでした。
ですが、
あれから何度かその老人とお風呂を一緒させて頂きました。
ここ十数年、
ホッとする気持ちもあれば、淋しい気持ちもあります。
もしも彼が幽霊だったのなら、どこに行ってしまったのか?
挨拶しても無言だった彼。
でも、どこか優しそうで、
もしも彼が本当に幽霊だったのなら、
そう心から願いつつも、