これは、友人から聞いた話です。
仮にAさんとしましょうか……
とある広島市内のJRの線路のガード下で、
会社の営業をしているAさんは、その日、仕事が上手くいかず、夜遅くまで電話営業をしていたと言います。
深夜になって、Aさんはやっと帰宅を始めました。
会社から自宅までは、約1キロ。
その夜、Aさんがそこを通ろうとした時の事、
濡れるから急ごうと小走りにガード下に入ったAさんでしたが、
こんな夜遅くに女性?
最初、Aさんは、そう思いいぶかしく感じたと言います。
ですが、その女性は、何かがおかしい事に気が付きました。
灰色の汚れたワンピースを着た女性の両腕が、異様に長い。
その腕の先は、膝下をはるかに超えた位置にあったそうです。
しかも、女性は、ゆっくりゆっくりふらふらと、
Aさんは、あまりの恐怖に動けなくなってしまったそうです。
そんな時、Aさんの後ろで……
「どうかしましたか?」
ふりかえると、それは警察官でした。
こんな夜中に女性一人が立ち止っている事を不審に思って、
Aさんは、安堵して腕の長い女性の事を知らせようと、
しかし、あの腕の長い女性は、もう消えていたそうです。
あれが一体何だったのか?
Aさんは、あれ以来、その女性を見ていないそうです。