俺は大の爺ちゃんっ子で、いつも爺ちゃんと一緒にいた。
釣りやら将棋やら、
そんな爺ちゃんは俺が17歳の時に病気で亡くなった。
爺ちゃんは昔から豪放な性格だったから、
そんな爺ちゃんが俺は大好きだった…
豪放で大雑把な爺ちゃんだけど、
爺ちゃんはいつも俺に『おうボン!
俺も最初に酒盛りするのは絶対に爺ちゃんとって決めてたのに…
『大丈夫だ…爺ちゃんがボンとの約束破るわけねえだろ?
その数時間後、容態が急変した爺ちゃんは息を引き取った…
それからの俺はすっかり塞ぎ込んでしまい、
そして…3年目の墓参り、この日はいつもと違った。
20歳になり成人した俺は、
『爺ちゃん、俺こないだやっと20歳になったよ。』
そういって花と線香を供えて墓前に手を合わせる。
『爺ちゃん、やっと約束を果たせる日が来たよ… これ、爺ちゃんの好きなお酒だよ、
俺は2つのコップに酒を並々と注ぎ、1つを墓に添えた花の横に、
『爺ちゃん…乾杯!』
ゆっくりと墓に供えた酒入りのコップに自分のコップを当てる。
コン…と小さい音を立てたあと、俺はコップの酒をひと口飲む。
初めて飲む酒の味は少し辛くて…美味かった。
いつも爺ちゃんの飲んでた酒の味を知れて嬉しかった。
ふと爺ちゃんの墓に供えたコップを見ると…
俺はコップの酒を一気に飲み干した、墓に供えたコップを見ると、
『爺ちゃん、また来年も一緒に飲もうな』
そういって墓に供えたコップを持って墓を後にしようとした時だっ
なんとなく、爺ちゃんの匂いがした。
『ボン、この酒美味えだろ?』