515 views

ここにいる

昔から私は波長があれば 「ここにいる」と 呼ばれることがあります。

昔、最寄り駅から40分歩いたところに住んでました。
駅から帰る途中ゾッとする感じ (あぁ近いな~) なんて思ったので
道の反対側に渡ろうとしましたが横断歩道は後ろも前もかなり遠い。
さらに帰宅時間と重なり横切ることもできず、
仕方ないのでそのまま気づかないふりをしようと決めました。

呼ばれていると感じたところは意外と近く、道沿いに駐車場がある2階立てのアパート。
そのどこからか「ここにいる」と呼んでます。
いつもより波長が合うのか少し大きめに聞こえた声に
一瞬建物を見てしまいましたが、私には助けることも、周りに詳しく説明することも
できないので「力になれない」と心で呟き、その場を離れました。

二日たった帰り道 あのアパートにパトカーが止まっており、警官が一人見えました。
周りには数人が何かを話しながら見上げてるので
近くのおばぁちゃんに何があったのか聞くと、
男性が部屋の中で倒れて亡くなっていたそうです。
警官からは「事件性は無いから心配しないように」とのことでした。

数日後あのおばぁちゃんに会うことができたので追加情報を聞くことができました。
男性は心不全で亡くなったそうです。
男性が出社しなかった日から職場の人が毎日様子を見にきたそうですが、
異臭がするまで気づかなかったそうです。

「呼ばれる」 このことで一番怖かったことがあります。

仕事の都合で自然豊かな所にいたときの話です。
同じ寮の人達と仲良くなったころ、週末はドライブに行くことが楽しみになってました。
その日は帰りの運転を任されて山道を走っていました。
車のファンから煙の臭いがした瞬間
「ここにいる」と聞こえ、目の前に特徴のあるジャージが見えました。
その時はどう運転したか覚えてません。

ふと気がつくと黒っぽいバンが猛スピードで追いかけてきます。
なぜか(これはヤバい、逃げなきゃ)とおもい必死になって山道を走りました。
少し引き離した時にカーブの先にパーキングエリアが見えたので
茶苦茶な運転で入り自販機がある場所から少し離れた暗いところに停めました。

急いでライトを消し、同僚に静かにするようにお願いしながら
パーキングエリアの入り口から目が離せません。
追いかけてきた車は私がライトを消した瞬間に入ってきて自販機の近くに停めました。
車から降りてきた男性は背伸びをしながら周りを見ているようでした。

自販機に向かいながらも周りを気にしているようでしたが、
自販機の前に着いたとき私たちに気づいたのか
飲み物を買わずにこっちに向かってきます。

(ヤバイ、、、ヤバイ、、、)
そう思った瞬間エンジンをかけライトも点けずパーキングエリアから出ると
ふもとの町まで一気に走り抜け、最初に見つけたガソリンスタンドに入り
直ぐに車を出て給油機に隠れながらスタッフに助けを求めようとしましたが、
あのバンは通り過ぎていきました。

寮にどのように帰ったかは覚えてませんが、
部屋に着くと気が抜けたのか布団に倒れそのまま寝てしまいました

翌朝、ニュースで女性が失踪時着ていたジャージの写真が映し出され
山道脇で焼かれていたと報じてました。
そうです、私が見たジャージと同じデザインです。

更に翌日 逮捕されたのは女性にストーカーしていた男性で、
私たちが追いかけられたあの車と同じバンで遺体を運び
山道脇で燃やそうとしていたそうです。

その時気づきました。 あの日山道脇に停めていた車が邪魔で
対向車が通り過ぎるまで一時停止しました。
車の後ろからライトを当てるように。
その時車の陰から覗く人と目があった気がしましたが、
ジャージの映像で私はそれどころではなったのです。

男性からしたら見られたと思ったのでしょうか?
男性はそのあと自首したそうです。

朗読: 怪談朗読と午前二時

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

首吊り

寸借詐欺

深夜の病室で

鏡女

同窓会

某有名自殺の名所