霊感あり

えせ霊感少女にひと泡噴かせた話。

霊感あり。見える。聞こえる。
そんな人が周りにたくさん寄ってくる体質なのか
昔から霊感あり(女性)という女性に言い寄られることが多い。
そんなこんなで本物か偽物かの判断は自分なりにつく自信がある。
自信があるというよりも、本物を知るがゆえに、
まず疑ってかかるフィルターごしに見るからか本物と偽物の違いは分かる。
高校時代、自称霊感ありのお騒がせ少女がいた。
ことあるごとに「あそこに女の人が」 「声が聞こえる」などクラスを巻き 込んでひと目を引きたがるその子に正直嫌気がさしてたし、
それを信じきっているクラスメイトにも嫌気がさしていた。

そんなある日悲鳴をあげ、その子が 床に倒れ込む騒ぎがおきた。
疑いの目で見れば、呼吸の安定感から演技であることが伺いとれる。
話したこともほとんどなかったがあまりにも苛立ちを抑えきれず「大丈夫?」と誰よりも先にかけつけた俺は彼女の耳元で「パンツ見えてるけ ど大丈夫?」と言い笑った。
右手でそっと身なりを直そうとする彼女にとどめの一撃。
「ああ、もう大丈夫!もう見えてないよ」と言い笑うと、次第に彼女は肩を震わせだす。
つられ笑いをしてしまった彼女は「やめてよー」と言い笑った。
その後、彼女の霊感少女キャラは自然とフェイドアウトしていった。
卒業から数年後の同窓生で「今でも幽霊とか見えるの?」 と聞いた時の彼女の真っ赤な顔が鮮明に残っている。

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