丘の上の駐車場

これは、もう10年ほど前の話、知り合いが実際に体験したお話です。

Aは、友人Bと次の日が休みの日は仕事終わりに落ち合って、車で見晴らしのいい小高い丘にある駐車場で話をするのが好きで、その日も来る途中で買ってきていたハンバーガーを食べながら仲良く話をしていました。
下には工場の明かりや家の明かりが見えて、綺麗だったそうです。

食べ終わり、二人でまったりしていると、Bが急に駐車場の隅を見て
「子供がおる」
と言い出した、AはBが見ている方を見て見ましたが、駐車場には外灯が少なく、そんな隅の方までハッキリとは見えるはずがないのに、Bには、その子供が見つけれたようです。
回りを見回しても、自分達の車以外には他に車はいない。
Bが、「こんな時間にあんな小さい子供がおるの変じゃねぇ?」
といいながら、車から降りてその子供の方に歩き出したそうです。
Aも仕方なしにBの後に続きました。

子供の目の前まで行きBが話しかけました。
「こんなとこでなんしょん?お父さんかお母さんは?」
「お母さんがおらんの。」
子供はBにそういいました。
Bの後でそのやり取りを聞いていたAはその子供の声を聞いたとき、堪らなく鳥肌がだったのと、この場にいたらヤバイと直感で思ったそうです。

なおもBは「そうか、一緒に探そうか?」と言うと。
子供はまたも「お母さんがおらんの」と、さっきと同じことを言ったそうです。

Aは耐えきれなくなり、
「もう、ええからほっとけ!車戻るぞ!」といってBを無理矢理車に連れ戻しました。
Bは
「なによんな!あんな小さい子、助けてやらんと困っとろーが!」
と、Aの言うことに反発したそうです。
Aは、「ええから!もう降りるでシートベルトせぇっ!」
そういうと、Aは、猛スピードで車を運転してその場を離れたそうです。

一番近くのコンビニの駐車場についた頃にはBは落ち着きを取り戻していたそうです。
Aは、とりあえず降りて飲み物でも買おうとBと一緒に車を降りました。
車を降りたときAはギョッとしました。

車の後部から後ろの窓にかけてびっしりと手形が着いていたそうです。
Aはあの子供の声を聞いたときこの世のものではないことが直感でわかったそうです。

もともと多少の霊感があったAですが、それでも友人Bと同じ体験をするとは思わなかったそうです。

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