聞いた話

小学生の頃にS先生に聞いた話。
S先生は理科の先生で、理科は理科室に移動して担任の先生ではなくS先生に習っていた。

そのS先生が授業中の雑談でポロっと語った短い話。

疲れて眠いなぁと思いながら高速道路を運転していた。
ふとサイドミラーを見ると、ランニング姿のおっさんがかなりアップで写っていた。
「何これ!!??」
意味がわからないと何度も何度も見返したそうだが、ずっとおっさんが写っている。 最後にS先生はその時の事を振り返り言っていた。

「いくら疲れていてもおっさんの幻覚は見ないよ。ビキニのお姉ちゃんならわかるけど。だからあれは幽霊だと思う」


おばあちゃんに聞いた話。
病院と家を行ったり来たりしていた亡くなる前の事。
病院に長く居た後は言動がちょっと変だった。
何もしないでぼーっとベッドに寝ていると脳が衰えるのかもしれない。
だから家に戻っている間はなるべく話しかけるようにしていた。
すると変な言動も減っていく。
会話ってのは重要なんだと思ったものだ。
そんなおばあちゃんが入院中に言った。
入院中で頭がハッキリしなくなっている時だから、どこまで信じて良いかはわからない。
ただ、何もないベッド周りのカーテンの上を指差して言うのだ。

「女の子がそこからいつも覗くんよ。ほら、今も覗いてる」


旦那に聞いた話。
他県からわざわざ仕事の手伝いに来ていた方がいた。
会社でアパートを借りて、そこに住んでもらって何ヵ月か工事の手伝いをしてもらうのだ。
その方が深夜に車でコンビニに向かった。
コンビニは小さな峠を越えてすぐの所にある。
本当に小さな峠で、車なら5分もかからないで抜けられ、短いトンネルが1つあるだけ。
そんな峠だから別に怖い雰囲気はない。
もちろん心霊スポットでもない。
トンネルを抜けてすぐの所で車道の横の歩道に女性がいた。
不穏な場所ではないものの深夜の峠なので、少し気になり追い抜いてすぐミラーで確認すると……もういなかったそうだ。

ただそれだけの話。
そして旦那はこう付け足した。
「まぁ、その人は知らないだろうけど、あそこの奥にはお墓があるんだよね」

全てあくまで聞いた話。
さて、この3つ、本当に心霊体験だったと思いますか?

朗読: 【怪談朗読】みちくさ-michikusa-

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