学校の怪談 警備員さん

私が高校生の時、部活動で帰りが遅くなり、みんなで急いで着替えて帰ろうとすると、時々警備員さんの見回りに遭遇した。
警備員さんは、紺色の制服を着ていて、長身で年配の方だった。

一人で、懐中電灯を照らしながら、黙々と見回りをしていたが、「さようなら」と挨拶しても、無視された。

でも、私達が暗くて怖がっていると、懐中電灯を照らして、下駄箱の所まで、ちゃんと付いてきて、見送ってくれたから、本当は、優しい人だと思っていた。

3年の終わり頃、担任の先生との雑談の中で、私が、その警備員さんの話をしたら、先生が、
「うちの学校に警備員さんはいない。見回りは、先生達が交代でやってるから。」とのこと。

あんなに度々見かけてたのに、顔だってちゃんと覚えてたのに、いないってどういうことだと思っていたら、先生が、
「先生達の間で、警備員さんの幽霊がいる、とのうわさ話がある。」
と教えてくれた。

しかし今思えば、幽霊だったのか、不審者だったのか、まったく分からないが、どちらにしても怖い体験だったと思う。

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