幽霊にキレた話

高校の同級生の話です。

その同級生は、普通の時は大人しいがキレると手が付けられないくらい暴れ、
誰彼かまわず暴力を振るうという、難ありな性格をしていました。
そんな彼が、高校3年生の時に起きた不思議な話をしました。

夜、自室で寝ていると、枕元に女の人が出るというものです。
数日かけて段々と近付き、その女の人が出る時は決まって金縛りのように動けなくなる、という事でした。
でも彼には女性に恨まれる覚えはないし、
心霊スポットなどに行った覚えもなく、なぜ自分に出てくるのか全く検討がつかなかったそうです。

日に日に寝不足が続き、夜になるのが憂鬱になってきた頃、
またあの女の人が寝ている彼に近付いてきました。
何かを言いながら、そしてその日は彼の布団に入ってきたそうです。
正確には、彼は掛布団を縦半分に折るように股に挟んで寝ていたのですが、
その布団の間を足元から入り込んできたそうです。
そのスピードは早く、あっという間に彼の鼻先に着くかの距離に進んできました。
そして、すすり泣き、何かを言っていたそうです。
彼はビックリしたものの、無性に腹が立ち、
必死に身体のどこでもいいから動かないかと力を込めていました。
するとわずかに指が動いたので、その瞬間、思いっ切り拳を布団に叩き付けたそうです。

そこからは彼のキレた衝動のまま、ひとしきり布団をボッコボコに殴り、
気が付くと女の人は消えていたそうです。
感触はよく覚えてないけど、あれから出なくなったと言っていました。

なぜそんなに腹が立ったかというと、
次の日は就職の面接があり、寝不足のままで行く訳にもいかず、
緊張しながら面接の事を考えていた中に出てきたから邪魔だったとの事。

結果、無事に受かって良かったのですが、
その話を聞いた時、幽霊にも力技が通じるものなのかと変に関心しました。
一番怖いのは、その彼が私の元旦那という、私の過去でしょうか。

朗読: 花菜の朗読

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