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今どきの幽霊

これは私が今住んでいるアパートに引っ越して、
数ヶ月経った頃体験した話です。

その日私は仕事でとても疲れていたので、電気を付けっぱなしにしたまま、
ベッドの上でいつの間にか寝落ちしてしまいました。

確か午前4時頃のことです。 私はふと目を覚ましました。
何故か身体が全く動きません。金縛りになってしまったようです。
私は横を向いて寝ていたのですが、
気がつくと私の横に見知らぬ女の人が私と向かい合って同じように横になり、
私の手を両手で包むようにして握っていました。
私はとても驚いてその女性を恐る恐る見つめました。
その女性はとてもはっきり見えていて、
見た目は20代前半くらいの今どきのちょっとケバい感じのギャルでした。
茶髪でゆるくパーマをかけた髪、ぱっちりした長い睫毛、
化粧もばっちりで可愛い人でした。
女性も手を握ったまま、私の方を少し笑みを含んだ顔で見つめてきます。
私はそのとき、下手に抵抗したりすると、
その女性が怒って恐ろしい姿に豹変するんじゃないかと思い、
目を閉じて手を握られたままじっとしていました。

しばらくして恐る恐る目を開くと、その女性は消えており、
身体も動くようになっていました。
私は怖かったので、すぐテレビを付けて気を紛らわしました。
明々と電気をつけっぱなしにしてたのに、
はっきり霊を見たことにとても驚いていました。
さらに、不思議だったのはその女性が私を見つめる表情が幸せそうというか、
愛しそうというか、恋人を見つめるような表情だったことです。
私はもしかして、彼氏か何かと勘違いしていたのかな?と思いました。
ただ、割りと小柄な同じ女である私と彼氏を、
いくら何でも間違えるだろうか?と少し疑問にも思いました。

最近になってその話を母にしたところ、母はちょっと笑いながら、
「彼氏と間違えたっていうより、
もしかして女の人が好きな人だったりして?彼女と間違えたんじゃない?」
と言っていました。
私は妙に納得して、確かに幽霊も元は人間だし、
そういうこともあるのかなと思いました。

そのアパートでは家賃がやたら安いせいか、
他にもちょっとした怪奇現象が忘れた頃にちょくちょくありましたが、
私は今もそこに住み続けてます。
しかし、あんなにはっきりと、
しかも今どきな姿をした霊を見たのはそれが最初で最後でした。

朗読: りっきぃの夜話

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