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僕、ア○パンマン

私はア○パンマンのおもちゃが少し、苦手です。

以前4〜5年前に私が体験したのが原因なんですが…
その当時から私はもう一人暮らしを始めていました。
その頃は確か姉が子供を産んでまだ1〜2年経っていたと思います。
私は初めての甥っ子だということもあり可愛さのあまり姉の家に居座っては甥っ子と遊んだり
時には私の家に姉が甥っ子を連れてきて姉が持ってきたおもちゃで遊んだりしていました。

そんなある日、その日も私は甥っ子と会って遊んで帰ったあと色々な身支度を済ませ
さぁ、そろそろ寝ようかなといつものようにイヤホンを付け、
音楽を聞きながら部屋の電気を消し就寝しようとしたときにそれは起こりました。

「…ぼ…パ…っ」
不意に何処からか声が聞こえた気がしました。
気のせいかと思い寝ようとするが、もう一度何かの声が聞こえ、
私は横にしていた身体を起こし片方のイヤホンを外しました。
そしてよく耳を澄ませてみると部屋の隅から
「ぼく、ア○パンマン」と甥っ子がよく遊んでいたおもちゃの音が聞こえてきました。
その瞬間、ああ、今日甥っ子が遊んでいたおもちゃの電源切り忘れていたのかとすぐに理解しました。
一度は寝ようとした身体、動かすには少しダルさがありましたが、
おもちゃの電源を消さないといけなかったので、私はダルい身体にムチを打ち部屋の電気をつけ、
頭の何処かで自身が置いたおもちゃの場所を思い出し、本棚の上へと手を伸ばして、
今だワンテンポで聞こえてくるア○パンマンの声を聞きながらおもちゃを手に取りました。
そこで電源のスイッチを見るが電源はオフになっており私は首を傾げました。

あれ、このおもちゃじゃなかったっけ?
なんて不思議に思いながら他において帰られているであろう甥っ子のおもちゃを思い出そうと頭を捻っていると、
また、唐突に「ぼく、ア○パンマン」という声が私のすぐ近くから聞こえてきました。
私はすぐ聞こえてきたところへと視線を向け探していると、
携帯の形をした小さなおもちゃが私の視界に入ってきました。
あ、これか。とそのおもちゃを手に取り、そこでハッとしました。
そのおもちゃは電源のスイッチはなくボタン電池が入っているところをネジを閉めて固定されていて、
ただ真ん中の大きなボタンを押したら音が出るようになっているおもちゃでした。

なんで勝手に鳴ったのだろうか、もしかして何か拍子にボタンに当たったのかなど一人で思い、
そのおもちゃをそのまま元の場所になおそうとしたとき、
また「ぼく、ア○パンマン」と意味もなく手の中でそのおもちゃが音を立てました。
もちろん私はボタンなんか押していません。
慌てておもちゃをもう一度自身の視界に入れると今度もまたそのおもちゃは一言「ぼく、ア○パンマン」と音を鳴らしました。

その瞬間背筋にゾッと冷たい空気が走りました。
だってその携帯のおもちゃは主に3種類ほどの音声が収録されており、
ずっとその言葉だけが聞こえてくるのは可笑しいことだったからです。
そこから段々と低く鈍ら始めた「ボク、ァ○バン、マ、ン」と言う音が聞こえ始め、
私は凄く怖くなって慌てておもちゃをひっくり返し、
以前本棚を組み立てる際に百均で買った工具をひっくり返すように開け、
未だ変に音がするおもちゃのネジを急いで開けてボタン電池を取って投げ捨てました。
電池を抜いてから何の音も出なくなったおもちゃですが、
私の手の中で今にもまたあの聞いたことのないような声がまた聞こえてくるんじゃないかとなんとも言えない恐怖が胸の中でいっぱいになり、
その場にあったティッシュを何枚も何枚もおもちゃに巻き付けてビニール袋に入れて頑丈に閉めてゴミ箱に捨てたのを今でも鮮明に覚えています。

おもちゃの電池切れのせいじゃないかと言われればそれまでかもしれないですが、
私は未だにそのおもちゃを店先で見つけると、あの夜に聞いたいつもの音とは違う「ボク、ァ○バン、マ、ン」という声を思い出し怖くなります。

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