449 views

私が中学二年生の時の話です。

雪の降る十二月の日曜日、所属していたバスケットボール部の試合は午前中に終わったのですが、
その日家族は買い物に朝から出かけており家に帰っても誰もいませんでした。
そのため先生に無理を言って午後もコートを使わせてもらい、二人の友達とシュート練をしていました。
自分の学校の体育館はバスケットコートが2面並んでいるよくある作りで、
バスケ部は普段演台から離れたほうのコートを使っていました。
しかし自分の学校のバレー部は県大会上位に行けるほど実力があったためその日も他校に練習試合に誘われ遠征していました。

というわけで三人でコート二面を使って適当にシュートを打っていました。
わざわざボールを拾いに行くのも面倒なので打っては次、打っては次としており、
二面のコートはボールでいっぱいになりました。
友人の一人は先に帰ってしまい、途中からは二人でふざけながらシュート打っていました。
夕方ごろには集中力も切れシュートも決まらなくなり、散乱するボールが増えました。
そんな中、最後に先にスリーポイントを五本決めた方が勝ちというゲームをしようということになりました。
お互いに最後の一本が決まらずぐだぐだと長引いていた時、
私のシュートがリングに当たり演台の左端にある用具入れの方へボールが転がっていきました。
「取りに行くのめんどくさい〜」と私は不満を漏らし、
友人は「ザマァみろ!」と笑いながらその転がっていくボールを見ていました。
ボールは散らかる他のボールに当たることなく用具入れへ転がっていくのですが、
引き戸のレールで失速しその中へ入ることはありませんでした。
しかし驚くべきことが起きたのです。
その用具入れ手前で止まったボールが急に現れた白い手によって中へ引き入れられたのです。
私たちは目の前の出来事に声も出ず、一目散に職員室へと走りました。

顧問の先生に今見たことを必死に説明すると先生は「また出たか〜」と半笑いをし、次のことを話してくれました。
私が中学二年生のときまで勤めていた国語の先生がいました。
どうやらその先生が原因で、私の学校に転任してきてから心霊現象と言われるようなことが増えたらしいのです。
その国語の先生が部活の顧問の先生に言ったのは、どうやら前の学校で出会った少女の霊が付いてきてしまったそうなのです。
前の学校でいつも通り行っていた国語の授業中に教室後ろのドアから覗く子がいるのに気づいて以来、頻繁に目にするようになったそうです。
今の学校に転任した後にも彼女を目にするので、付いてきてしまったと確信したそうです。

そして転任してから幾つかの現象が起きるようになりました。
一つ目は体育館で女の子を目にする人が増えた。
用具入れにボールを取りにいった人が見てしまったり、
私の入学する前にはバスケットゴールのボードの上に座っているのを見た人もいたそうです。
二つ目は一階のトイレ前付近で警備会社の設置したセンサーが反応する。
私の通う学校は公立中学であり、反応のある一階のトイレは特に古く使う人もいません。
そのトイレ付近のセンサーが何故か生徒のいない夜に反応するのです。
その国語の先生は私が中学三年生の時に再び転任していなくなってしまいましたが、
その後不可解な現象は止まったそうです。
どうやらまた先生について行ってしまったのでしょう。

特に実害が出たわけでもなくとても怖い思いをした訳ではないのですが、
あの少女は何故先生に強く執着するのか今でも不思議に思います。
怖い話よりかは不思議な話に近くなってしまったかと思いますが、
最後までお付き合いいただき有り難うございました。

朗読: 榊原夢の牢毒ちゃんねる
朗読: 【怪談朗読】みちくさ-michikusa-
朗読: 怪談ロード倶楽部

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

海へ帰る人

下校途中

青いストライプ・スーツ

赤い人

先輩

見回り