266 views

局地的アポカリプティックサウンド

ある土曜日の昼間の出来事です。
私は昼ご飯の後片付けをしていました。
姪が居たのですが、ソファに座ってスマホをいじっていました。
私も音楽をイヤホンでスマホから聴いていました。
「・・・・・・」
何か声がしたのでイヤホンを取って、 「何?」と姪に尋ねたのですが姪の様子が変でした。
「おばちゃん、この音何?」
その顔は真剣そのもので、私に訴えかけます。
「えー何が?」 私には全く聞こえず、窓を開けて外を見ました。
最近、私の家の近所で交通事故があり、かなりの衝撃音が聞こえた事もあり、また外でトラブルがあったのかと思ったのです。
けれど何も聞こえず、普通に車が行き交う音しか聞こえません。
「この音だよ、聞こえないの!?」
姪は必死に訴えかけますが、私には何も聞こえません。
姪がおかしくなったのかと、ちょっと恐怖感がありました。
「ほら、鳴ってんじゃん!」
姪の声は焦っているらしく、段々大きくなります。
私がどんな音が鳴ってるのかと聞くと、
「鈴のリーンて音と、何か金属が擦れるようなギーって音が混じってる」
私は困惑してしまいました。まったく聞こえないのですから。
「マジ、聞こえないの?」
「うん、聞こえない・・・」
姪の顔は絶望の色を見せ、視線を空中に漂わせています。
「何でー?結構大きい音なんだけどなー」
「耳鳴りなんじゃない?」 姪が大きく首を振りました。
「この部屋いっぱいに聞こえる」
私がちょっと姪の体調を心配しはじめた頃、 「あー消えた!」と姪。

二人でほっとしました。長くても2分ぐらいの出来事でした。
「おばちゃん、言っても全然分ってくんなくて、外なんか見てるし」
姪が口を尖らせ、恨みがましい顔で言いました。
「でも何だったんだろう。大音量で、まだ耳がジーンてしてる」
姪はあまり怖がっていませんでしたが、自分の体験していることが他人に分らない苛立ちや切なさ、不安さを感じたようでした。

ただ一回、それっきりでその後もなにも無く、「アレは何だったんだろう」と姪とよく話していましたがその数日後、姪がある動画を見せてくれました。
「アポカリプティックサウンド」 空に響き渡る何とも言えない音、不気味な、不安感に駆られる映像でした。
「あれから気になって、ネットで検索して見つけたんだけど、あの時の音に似てるんだよね」
姪はそう言いました。
局地的にそんなことがあるんでしょうか?
「それか、宇宙人からの電波を受信してたのかも」
そう言って姪は笑っていました。
「自分には見える、聞こえるのに他人にはまったく分らない」
これってお互いに、一番怖い事ではないでしょうか。

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

色鉛筆

前世のトラウマ

怪奇譚 不思議な声

実話伝承・広島の八岐大蛇伝説

お化け屋敷ごっこ

3度の臨死体験