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4階

私の父方の家系が昔から霊感があり、 私もしっかりそれを受け継ぎました。
幼い頃から怖いものからそうでは無いものが 見えていたので、幽霊がいる生活が当たり前でした。

そんな中、小学5年生の頃に父方の祖父が亡くなりました。
私自身初めての親近者の死だったため、酷く落ち込みました。
1年掛けて立ち直ったある夏の日、それは起きました。

私の地元は小学校から部活動があり、 私もバスケットボール部に所属していました。
部活が終わると校舎内にある公衆電話から 親に迎えの電話をし、待ってる間部活動メンバーと一緒に校庭で遊んで過ごす。
これがいつも通りでした。
その日も当たり前のように遊んでいた時、ふとグランドに気配を感じ 目線を送ると、そこには亡くなったはずの祖父がいました。
生前被っていたハンチングに、敬老の日にお年玉を崩してプレゼントした杖。 後ろ姿でしたが、間違いなく祖父でした。
『おじいちゃん、寂しくなったのかな?』
私はブランコに乗りながらじーっと見ていると、 すう…と左手人差し指を上に向けました。
その指さした方向は学校裏の方でした。
そちらには祖父の家がある方角でした。 『どうしたんだろ……』
そう思ってた時、友人の車が学校内に入ってきて すぎた瞬間、祖父の姿はありませんでした。
『寂しくなって会いに来たんだろうなあ』
私はそんな風に思いながら、迎えに来た母親に話しました。
幼い頃から普通に幽霊を見た。
という事を伝えていたため 両親は特に驚きもせず話を聞いてくれます。
その日も母親は
「そうだったんだね。おじいちゃん会いたくて仕方なかったかもね。」
そんな風なやり取りをしてその日を終えました。

数日後、健康診断を終えた母が少し興奮交じりに
「あのね、今日病院行ってお会計待ってたら 前に並んでた人がおじいちゃんそっくりだったの! お母さんビックリしちゃって、声掛けたら顔も声も似てて 他人の空似ですね〜なんて話してさー。 その人、早々と会計しちゃってたらしくてすぐ居なくなったんだけど…… 〇〇から学校で見たって言われた後だからびっくり!」
こんな偶然あるんだね〜なんて話してましたが、 その時点で不思議は連鎖してました。
母はその健康診断で癌が見つかりました。
早期発見だったため、すぐ入院と手術が執り行われました。
無事手術は成功し、暫く術後の入院生活を送っていました。
私も学校が早く終わった日は父と弟とお見舞いに行っていました。

ある日、職員会議が入り、全部活動が急遽休みになり、 父親に電話でその事を連絡すると
「なら、今からお母さんの所にお見舞いに行こう。 迎えに行くからいつも通り校庭で待ってて。」
そう言われ、校庭で待ってました。
いつもは野球部と陸上部の声が響く グランドもカラスの声しか聞こえませんでした。

ふと、祖父が立っていたところに私も立ってみて 何を思ったのか、同じように左手人差し指を 同じ方角を指さして見ました。
その時、ハッとしたんです。
祖父が指していたのは家の方角ではありませんでした。
校舎裏にある市立病院。
祖父が無くなった病院でもあり、母が入院している病院。
高さはちょうど4階。
母が入院している階です。
信じられませんがあの時、祖父は母親の体を蝕んでいた 病気を教えに来てくれたのでしょうか。
母の前に現れたのは、本当に他人の空似の老人だったのでしょうか。

それから今現在まで母の病気は完治し、すっかり元気に過ごしています。
私が体験した中で、1番不思議な出来事でした。

朗読: 怪談朗読と午前二時

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