数十年前の話です。
場所は長野県の南木曽辺りになります。
私を含め4人の友人とキャンプに出かけました。
まだキャンプ場というのは馴染みが薄く、川原等でキャンプをするのが 普通の時代でした。
「どうせ行くならあんま人の来ない様な所にいこうぜ」 となり、国道19号を木曽川沿いに車を走らせました。
ここらでいいか、と木曽川から支流に入りどんどん登っていきます。
途中より未舗装の道路となり、もう車が入れない所までいきました。
ちょっと下った所に砂防ダムがあり、若干開けてたのでそこでキャンプをしようとなりました。
水遊びや釣りを楽しみ、やがて日も暮れてきました。
夕食を食べ終え、のんびりと火を囲みながら時間は過ぎていきます。
やがて、友人が1人、また1人とテントの中に入り就寝していきました。
残ったのは私と友人Aの2人。
私は下戸なのでコーヒーを飲み、友人はビール片手に たわいもない事を話していました。
時間は23時を過ぎた辺りだったと思います。
川の上流より何か聞こえました。
「おい A 今なんか聞こえなかった?」友人に尋ねると「ふぇ?何?」
あ、ダメだこいつ酔っ払ってる・・・
その音はどんどんハッキリ聞こえる様になっていきます。
・・・太鼓・・・の音・・・?
川の流れる音とは全然違います。
車で通れない所まで行ったので上流に集落があるとは考えにくいです。
興味が沸いた私は「ちょっと俺見てくるわ」と友人を置いてライト片手に立ちました。
太鼓の音は大きくリズムを刻んでいます。
私が立ち上がり数十メートル上流に足を運んだ所で音は突然止まりました。
周りは真っ暗で離れた場所にあるキャンプサイト周辺以外は真っ暗です。
音が無くなってしまったので探しようも無くなり私も就寝する事にしました。
翌朝、やはり気になった私は更に上流に行ってみよっかなーと思い 車で行ける所まで行き歩いてみましたが林業の方が使ってる様な道しか無い為 結局断念しました。
最近になりもう1度あの場所に行ってみたいと思ってますが、なんとなくは覚えてるんですが 記憶が曖昧でもし行ける事あれば続報でも書いてみたいと思います。
あの太鼓の音、なんだったんだろ・・・・