新潟県。
言葉を覚えたての子供が何の脈絡もなく「何か忘れてる気がする」という旨の言葉を発する事が稀にあるらしい。
テレビなどのメディアで聞いたのをそのまま真似している場合もあるだろう。
しかし、そういう真似をする時は大半は感情が籠っていないので棒読みになったり、自慢するようにおどけながらとかそういう判別はし易い。
問題は明らかに感情が籠っていると分かった場合。
例えば異様に不安そうに喋ってるだとか。
「産まれる前にした約束」を決して思い出してはいけない。
前世でした約束なんてロマンチックな話ではない。
一度死んで、産まれ着くまでに人ではない何かと約束をすることが稀にあるという。
倫理観をまだ持つことができない魂に「よくないモノ」が遊び半分で「産まれたら周りの人を不幸にしなさい」と吹き込む。
魂の根っこにこびり付いた約束は産まれてからそのことを思い出すと成就されるという。
思い出した子自身が悪い道に行ったり、悪い道に行かなくても次々とその子を除いた周囲に次々と考えられないような災厄が頻発する。
そういう場合、お祓い等は全く効かない。
呪いとかそういう事ではなく、単純に「約束」という形の現象だから。
それについての対処は実に簡単で子供が「何か忘れてる気がする」と言ったら「忘れてないよ。終わったよ」と言葉を返すだけ。
子供がその言葉を理解してなくてもいい。
今、この世にいる人間が「終わった」と言うと簡単にその時点で約束は終了するとのこと。
もしその場で咄嗟に答えられなかった場合は、お祓いではなく神社か寺に行って絵馬に子供の手で「約束 終わり」と書かせる。
その時、両親が子供の手を握って書かせてもいいらしい。
母の故郷で古くから伝えられている伝承の様なものの話です。