おじちゃん

私が3歳頃の話です。

父の出張が決まり家族3人で地元を離れ関西方面に引っ越しをしました。

間取りは2LDK程で日中、母が家事をしているときは

あまり使わない部屋を遊び部屋みたくし

そこで一人、玩具遊びやお人形さん遊び、

おままごと遊びをしていて

一人で喋ったり歌ったりしていたそうです。

私の一人喋りの中でもちょっと変わったことを話す時があったそうで

おじちゃん!あそぼ!

こっちであそぼ!こっちおいでよ!

と話す事があったようです。

母は別室から家事などをしながら

私の話す内容におじちゃん?って少し疑問に思ったそうで

でも、3歳の一人遊び。

おままごともなれば架空の人物でおじちゃんが出てくることも

有り得るだろうとの事でそこまで気には止めずにいたのですが、ある日、私が初めて

母にそのおじちゃんの事を話をした事がありました。

私は洗濯や掃除をする母の元へ行き

ママ、おじちゃんがきれくれない。

あそぼっていってもこっちにきてくれない。

と、言ってきたそうです。

でも母は、おじちゃん?おじちゃんってどこにもいないよ?と言うと

こっち!と言って私は母を部屋に連れて行き

押し入れの中を指さして

ここ!!おじちゃんここ!!

ママも言って!こっちおいでって!

と、母に駄々をこねたそうです。

当時、その押し入れは開けっぱなしで

物をすぐ取れるようにしていたそうで

もちろん母が押し入れの中を

見てももちろん誰の姿もないし

今までもそんなことはない訳で

母は初めて怖くなり父と相談し

その押し入れを潰すような家具の配置に変え

開けられなくしたそうです。

それから母はその部屋では

遊ぶことを辞めさせて

私はリビングで遊ぶようになりました。

でも時折何か思い立ったかのように

スっとリビングを出てはその部屋に行き

押し入れに向かって

おじちゃん、こっちこないの?

おじちゃん、遊んでよ!

と言っていたそうです。

母も気味悪るい感覚はあったものの

父の出張先であるため

あまり騒ぎにしたくないとの思いもあり

私に、おじちゃんは居ないからって言い聞かせたり

ママが一緒に遊んであげるねって気をそらすことで

その押し入れからはなるべく私を離して生活をしていたそうです。

そんな状況が続きしばらく経った時

祖父が地元から出張先の家に遊びにきてくれたときに

私はまた押し入れに向かい

おじちゃん、一緒にあっちにいこ!と

押し入れに向かい話しかける私を見て

祖父を驚かせることになりました。

母は祖父に

ちゃんとは調べてないけど

普通の押し入れで変わった所はないと思う

きっと遊びで言ってるだけだと思うからと話しました。

祖父は一度ちゃんと中を見てみた方がいいんじゃないか?とのことで

祖父と両親で押し入れ中をちゃんと調べてみると

天井に張られてる板と板の隙間から

なにかが見えていたそうで取り出してみると

古びた御札がでてきたそうです。

霊的な事をあまり信じていない両親や祖父なのですが

気味悪さはあったようで

あまり触れたりしてはいけないんじゃないか思い

御札は元のように戻したそうです。

両親、祖父共に霊などは信じていないとゆうこともあり

特にお祓いをしてもらうことや家について調べてもらうこともなく

父の出張期間ももうあと少しだった為

私は祖父と先に地元に帰り時々両親に会いに

出張先へ出向くとゆう生活を続けました。

その家を離れた後私も特に何もなく

両親もなにもなく過ごしたそうです。

御札が何だったのか

おじちゃんは誰だったのか

私ももう覚えてないのでわかりませんが

母や近い身内にその話を聴いても

不思議と怖いとか気味悪さとゆう感覚は私にはなく

どこか懐かしいような…なんとも言えない

そんな気持ちに今もなります。

朗読: 怪談朗読と午前二時

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