人気者の同級生 中学生の頃、私のクラスに人気者の同級生がいた。
名前はユウコ(仮名)。
困っているといつでも助けてくれた。
分からないところがあると勉強も教えてくれたし、消しゴムを貸してもらったこともあった。
私も中学生の時に足を怪我をしてしまった時も、肩を貸してくれたり階段を上り下りするのを手伝ってくれた。
勉強も運動もいつも一番だった。
そんな彼女の怖いところを一度だけ見たことがある。
体育館の前に古いトイレ。
そこで壁に向かってまるで別人の様に怒っている彼女の姿を見た。
今まで彼女からは聞いたこともないような、酷い悪口が吐き出されていた。
「信じられない」
「調子の良いことばっかり」
「えこひいきしないでよ!」
先生の悪口や同級生、クラスメート達の秘密…いつものユウコはそんなこと絶対に言わない。
「ユウコ…どうしちゃったの?」
私は思わず声に出してしまった。
すると彼女はゆっくりと私の方を向いた。
「たまには言いたいこと吐き出さないと、やっていけないでしょう」
誰かに話したら許さない。
そうクギを刺された。