僕の覚醒。姉の声で

今から14年前の話….

福岡県のある町でのこと。いま考えれば、この体験が僕の霊的体験の始まりだった。

当時僕は22歳、車が大好きで夜な夜な峠を攻めて走り回るいわゆる「走り屋」とうやつだった。

腕に自信があった僕は、福岡県の峠という峠を遠征してまわり楽しくてしようがない毎日を送っていた。

そんなある日、8月の熱い夜…

福岡県N町のMダム周辺に走りに行った際に事件はおきた。

いや、事故と事件がおきた…

Mダムサイドのコースにはカーブごとにあだ名がついており、便所コーナー、ホテルコーナー、地蔵コーナー…

ガーブにあるものの名前がついてるだけだが、地蔵コーナー つまりお地蔵さんがあるカーブがある。

で、事故はおきた。

そう僕は事故ったのだ。

走りだしてすぐ、便所コーナーをすぎてホテルコーナーをすぎて地蔵コーナーへ。

コーナー手前で自転車に乗ったお爺さんが飛び出してきた。

焦ってハンドルをきった…

車はお地蔵さんを破壊して木に激突。

自分や車の心配よりも、自転車のお爺さんが心配になって車から飛び降り探したが見つからない。

と、振り返ると無残な姿になった愛車が。

取り乱してお爺さんの事を忘れ、とりあえず僕は事故処理をすませ夜中にヘトヘトになり帰宅した。

(後日、もろもろの始末は受けました。)

事故を起こした事でのいろんな処理と精神的ショックからバタンキューな勢いでベットに転げ入った。

眠りについて何時間たっただろうか、誰かがしきりに話しかけてる感覚があってボヤッと意識が目覚めかける。

誰か 「……ろ 、くん….と?」

誰か 「……ろ 、くん…と?」

まだ体は寝てる。目もつむってる。脳だけ動く半覚醒状態。

誰か 「ひ.ろ、くん…と?」

誰か 「ひ.ろ、くん…と?」

あぁ、姉ちゃんか。

実家住みだったので姉ちゃんがなにか用事があって話しかけとるんだ。

でもこっちはクタクタ。

相手すんのめんどくさい。

と思い無視してると。

姉 「ヒロくん、…と?」

姉 「ヒロくん、…と?」

っと、姉ちゃんの声がだんだんはっきり聞き取れるくらい意識が覚醒しはじめる。

ちなみに、僕は姉から「ヒロくん」と呼ばれており、声と喋り方は確実に姉ちゃんだった。

あまりにしつこいので、何の用だと姉ちゃんの声に意識を集中してみると…

はっきりとした言葉で

姉ちゃんが僕に

こう問いかけていた。

「ヒロくん、、死ぬと?」

「ヒロくん、、死ぬと?」

……

……⁉︎

姉ちゃんじゃない‼

その言葉が聞こえたとき、そいつが姉ちゃんじゃないと分かった。

僕は半覚醒の状態で自問自答しながらベットの上で壁の方へ向き直し、さらに深く目を閉じた。

目の前は壁。ベットの上。後ろには姉ちゃんの声を真似るなにか…

そいつは相変わらず

「ヒロくん、、死ぬと?」

と言い続けながら近づいてくる。

目を閉じて壁の方を向いていると、そいつはベットに手をついてさらに近よってくる。

マットレスの傾き具合でなにかがベットにのったことがわかる、

この感覚は、あいつがベットに手をついて近いよってきてるんだ。

そう思った直後、

壁の方をみて目を閉じていたのに、目が開いている。

目の前は白い壁…

強制的に見せられているような景色にパニックになり、体がガタガタを震えだす。

そして

僕の顔と白い壁の間に…

長い髪の毛が降りてくる。

髪がどんどん降りてきて、おでこ、まゆ、目…顔全体を逆さまに見せられる。

姉ちゃんの声を真似る見たことない女に逆さまに覗き込まれ目の前で、

「ヒロくん死ぬと?」

恐怖が限界を越えて、大声で叫び声をあげて起き上がると、

誰もいない自室に僕1人という状況だった。

姉ちゃはその日仕事で自宅におらず。寝てる僕に話しかけたこともない。

と、きっぱり否定された。

お地蔵さんを破壊してしまったこと。

その直前に見た自転車に乗ったお爺さん。

関連はわかりませんが、非常に怖い体験でした。

創作ではありません。実体験です。

そしてこの体験から、僕のおもしろ心霊体験がはじまってしまいます。

いや、次の体験で出会う僕の嫁となる僕ら夫婦の体験ですね…。

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