これは、知り合いのお姉さんが実際に体験したお話です。
中国地方の海側の県のお話。
その頃大学生だったお姉さんとその女友達A、B、Cの三人、誰が言い出したのか心霊スポットに、行こうといいだしました。
多少霊感があったお姉さんは、あまり乗り気ではありませんでしたが、
その場の雰囲気をこわすわけにもいかず、渋々ついていくことになりました。
そこは、工業地帯が近くにある大きなマンションで、階数もそれなりにある高い建物でした。
それと同じ造りの建物が全部で4棟ありました。
近くに車を止め、一番近くの棟に行くことにしました。
お姉さんは、特に嫌な感じもしなかったそうです。
棟の造りは建物の両脇に階段がありそれぞれ上っていくと屋上まで繋がっていました。
そこで二人づつ、お姉さんとA、BとCに別れ階段を上り、屋上で合流したら一緒に降りてこようということになりました。
お互いが階段の前に着くと、同じタイミングで上り始めました。
はじめは、空いている部屋の中を覗いたりしていましたが、
何個かの部屋は食器などがそのままだったり、布団が敷いたままだったりと、
使われなくなって随分経つのに、人が生活していた痕跡がまだあり、薄気味悪かったそうです。
ですが、そんなこと以外特に何もなく棟の中腹くらいまで上ったあたりで、
少し飽きてきていたお姉さんたちはこのまま一気に上って合流地手間で行こうとしました。
そこで反対側から上っていたはずのBとCが急いでやってきました。
二人とも急かすようにお姉さんとAに、すぐにしたに降りようといってきたそうです。
下に降りてきて話を聞くと、二人で階段を上っていると、上から自分達より少し年上に見える男の人が一人降りてきました。
その男の人は、自分もお姉さんたちと一緒で友達と二人で棟の中を見て回っていたらしいのですが、
突然友達が階段をかけ上がって一人で屋上に行ってしまい、自分も追いかけたのですが、
友達は屋上から降りようとしないので、諦めて自分だけ降りてきていたら、
BとCに会い、一緒に来て自分の友達を説得してほしいと半ば強引にCの腕を掴かみ引っ張ったそうで、
おかしいと思ったBが反対の腕を引っ張り抵抗したのですが、
男の人の力なのでそのままCは屋上の方に少しずつ引っ張られ、連れていかれそうになったのですが、
なんとか腕を振りほどき、急いで階段を降りて来たのでした。
何よりその男の人の雰囲気が異常でなにかおかしいと思ったBとCは急いで自分達にこの事を伝えに来たということでした。
話を聞き終わりすぐにお姉さんたちは、車に向かって歩いていたのですが、突然の叫び声を聞きました。
それと少しして、地面になにか重たいものが落ちるようなドスン、というような音がしたそうです。
お姉さんたちは、突然のことで驚きましたが、見えないだけで、人が落ちたのだと理解したそうです。
屋上を見ると、先ほどBとCが話していたと思われる男の人が不気味な笑い声をあげながら手招きをしていたそうで、
それをその場にいた全員が見た瞬間車にもうダッシュで向かい、逃げ帰りました。
BとCは、その男の人は普通に話もしていたし、どう見ても生きた人間に見えたそうです。