怪奇部 こっくりさん

怪奇部1 こっくりさん

 

皆様は小学生の時、学校の七不思議を試したことはありますか?

私が小学生の時は、怖い話ブームで、アニメやバラエティー番組や映画などが、

毎週のように放送されていました。

 

私のクラスではこっくりさんが流行っていて、

よく休み時間に大騒ぎするので、学校で禁止されていました。

 

その中私は、怪奇部と言う謎のクラブを設立し、

学校の七不思議や都市伝説を試して遊んでいました。

(今考えると恥ずかしい名前です)

 

とある放課後、怪奇部仲間とこっくりさんをやろうという事になり、

先生や友達が帰るのを見計らって、授業中自由帳に書いてあった、

こっくりさんと交信する紙を机に出し、十円は持っていなかったので、

消しゴムで代用することにしました。

 

友達三人で机をかこみ、こっくりさんを呼び出す呪文

こっくりさんこっくりさんお入り下さい」

と、声を揃えて唱えました。

 

が、いくら待っても何も起きません。

仕方なく「なーんも出ないね、帰ろう」と、一人ずつ指を離しました。

 

そして私が席をたった瞬間、

ガシャーーーン!!ゴロゴロ………!

と大きな音がしたのです。

 

教室のテレビ台においてあった造花の花瓶が、突然床に落ちて転がりました。

「あ、終わりの呪文言ってない」

と、友達がつぶやきました。

 

皆様ご存じかと思いますが、こっくりさんは終わりの呪文

こっくりさんこっくりさんお帰りください」

を言わないと、儀式を終えてはいけないのです。

 

私たちは席に座り直し、終わりの呪文を声を揃えて言いました。

その後は教室で変わったこともなかったのですが、気になったことが一つあります。

 

あの、テレビの横においてあった花瓶が、次の日にはなくなっていたのです。

転がった後戻すことを忘れていたので、次の日に探したのですが、

あれから見かけることはありませんでした。

いったいどこにいったのでしょう。

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