これは、8歳になる誕生日の時に体験したお話です。
わたしの誕生日は8月15日のお盆真っ只中。
そして終戦記念日です。
その日、わたしは亡くなった祖父の家で留守番をしていました。
午前中には顔見知りの方達にひっぱりだこで、夕方5時頃にはもう眠くて眠くて仕方ありませんでした。
親戚たちは近くの飲み屋にご飯を食べに行っていたのですが、
わたしは眠気に勝てず仏間でタオルケットをお腹にかけ眠っていました。
1時間ほど眠って少し目が覚めると、玄関のほうでがちゃがちゃと鍵を開ける音がしたので
「あぁ。みんなが帰ってきたのかな」
とおもい、また眠りにつきました。
しかし、なかなかみんながこちらに戻ってこないことに不安を感じ、うっすらと目を開けて周りを見渡すと、
自分を取り囲むようにして日本兵の軍服を着た兵隊さん達が 正座をしていました。
怖いながらも私は、その人たちを観察していると、その中に祖父がいることに気が付きました。
心の中で「おじいちゃん。おじいちゃん!」
と唱えると、祖父は少し笑みを浮かべうんうん。と頷きました。
すると、兵隊さん一人一人がわたしのあたまをちょろっと触って消えていくのです。
1人がちょろっ。きえる。もう1人ちょろっ。きえる。
祖父以外の5人が消え終えると、最後に祖父が私の髪の毛を三つ編みにしてきえました…。
わたしはなんだか温かい気持ちになり、帰ってきたの祖母、母、親戚にこのことを話しました。
すると祖母は
「じいちゃんは、亡くなった戦友に自分の孫を見せたかったんだろうねぇ。
りかのこと大好きだったし自慢の孫だったんだね」
と言いました。
さらに
「女の子の孫が産まれたら自分で髪を結ってあげたい。
でも自分にはみつあみしか出来ないから…」
と生前話していたことも教えてくれました。
あぁ。
今考えれば、おじいちゃんが亡くなって髪を伸ばしたから
生きてる時は結わせてあげることができなかったんだっけ… おじいちゃん。
今も私を見守っていてくれていますか?