私の従妹は、所謂見える人ってやつなんですけど、
ある日、私は従妹の家で、
時刻は午後3時頃だったと思います。
「ただいま」
家の玄関から軽快な女性の声が響きました。
従妹のお母さん、
「おじゃましてます」
居間の襖を開け大きな声でそう呼びかけると、
「お邪魔してます!」
と、声を上げました。
すると廊下を歩く音がこちらに近づき、
「あらあら、皆いらっしゃい、楽しそうね、何してたの?」
叔母がそういうので、私は、 「宿題を、」 そう言いかけた時でした。
「だ……れ?」
従妹が突然、私の言葉を遮る様にそう言ったのです。
当然私たちは、 「えっ?」 と、一様に何言ってるの?
目の前にいるのは、どこをどう見ても私の叔母です。
が、更に従妹は言いました。
「お、おか、お母さんじゃ……ない」
そう言った従妹の顔は蒼白になっており、肩を震わせ、
瞬間、私は叔母の方に顔を向けました、すると叔母は、
「なぁぁぁんでわかっちゃうかかかなぁぁぁぁぁあ!」
肌が粟立つようなおぞましい声でそう言うと、
私も従妹たちもパニックでした。
異変を察した隣に住む年配の女性が、私たちを見つけ、
その後、迎えに来てくれた叔母を見て、従妹は泣きながら 「お母さん!」 と、駈け寄ってきた叔母に抱きついていました。
この事件は当時警察沙汰になり、私も事情聴取を受け、
変質者……であればいいと、今でも切に願っています。
だって、生きた人間も怖いですが、もしそうでないのなら、