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言霊

初投稿です。長文且つ拙い文章で大変、読みにくいと思いますが、よろしくお願い致します。

言葉には魂が宿ると言うが、それを身を以て体験した話。

その時私は高校の2年生。夏の吹奏楽部の大会に向けて毎日遅くまで練習をしていた。その日も最寄の駅に着いたのは夜の8:00。都会ではまだ明るい方ではあるだろうが、如何せんど田舎のそれも山の中、駅は無人だし、道を歩けばコンビニはおろか、街灯も100メートルおきにしか無いような場所だ。私はここから3〜4キロ歩いた山の中で、何時もは両親に迎えに来てもらう所なのだが、何を思ったかその日の私は朝から自転車で来ていた。リュックを背負い直して、憂鬱な気持ちで自転車にまたがる。憂鬱なのはこれから続く坂道を考えた所為もあるが、も憂鬱な理由にはもう一つあった。学校で、怪談を話して来たからである。

同じパートの友人や先輩、後輩を巻き込んでしたその怖い話は何処かで聞き齧った事のある怖い話だったり、高校の昔から伝わる七不思議だったりした。学校プラス怪談とだけあって、話は大変盛り上がった。そんな中で、私が話したその話は父親の実体験であった。

若い頃の父は地元から大阪まで毎日高速道路を使って1時間かけて通っていた。その日は仕事が遅くなり、夜の高速道路を走っていた。道には父の車以外いなかった。車の中は深夜ラジオがかかっていたが、クーラーの調子が悪い為に開けていた後方の窓から始終風を切る音が響いていた。山中の緩やかな曲がり道を進んでいた時、ふと前に何が躍り出た。父は慌ててハンドルを切ったが、時すでに遅し。ガン!と言う鋭い音と共に何かがわずかに開いた窓に刺さった。慌てて父はバックミラーを見た。見て心底驚いた。

窓に挟まっていたのは髪の長い女の子の人形だった。

驚いた父は急いで近くのサービスエリアに入ると車から降りて後ろを確認した。しかし、後方は傷はおろか、人形もいない。どうにも府に落ちないながらも父はそのまま何もなかったと思い直し実家まで帰った。そして翌朝。起きて来た父に父の母親と父親が不思議そうな顔をする。そして、二人は口々に言ったのである。

「昨日連れてきた髪の長い女の子は?」

「まだ寝てるの?」

この話を学校でして来たのである。最初は面白がって話していたのだが、うちの部は大所帯と言う事もあって人から人へあの先輩面白い話を知ってるよーが広がり、そしてそれを聞いた子が先輩怖い話して下さい!と私の元へやって来た。これによって私は1日のうちに五、六回同じ話をした。四回目にもなるとめんどく下がり屋の私は段々煩わしくなって、最後は簡単に掻い摘んで話してしまったのである。今思うと馬鹿である。

やだなぁ、と思いながら走り出す。

しばらく走ると坂があり、そこを登り切ると街灯の向こう側にコンクリートの橋が見えた。

橋の長さは20メートル程。橋の始まりと橋の中程、そして終わりの3箇所に電灯があった。何時もは何も気にしない橋も、今日は何処か不気味だ。一気に走り抜けようとした時、不意に緩い風が吹き上げた。そして、ギャアアアアアアアア!!!と言う途轍もない叫び声。ハッとして橋の下を覗き込むと電灯の明かりに照らされて白い何かが両腕両足をてんでバラバラな方向に振り回りながら走っていた。

まるで操り人形が乱暴に振り回されているようなそんな走り方。

それは奇声をあげながら川の向こうの真っ暗な暗闇の中へと消えて行った。

風は弱まっていたが、まだ微かに吹いていた。

我に返った私は慌てて橋を駆け抜けた。頭の中には不思議と今日聞いた怖い話が、そして今日自分が話した怖い話が浮かんでいた。

きっと、話を適当にしたから人形が怒ったのかもしれない、何故か不意にそう思った。そして、私はその日から怖い話をするのをやめた。

今思えばアレは狐か何か動物だったのかもしれない。だけど、もしそうじゃなかったら?そしてこの話をした今夜、私はどうなるのだろうか。

皆様も怖い話をする時はお気を付けて。

朗読: 朗読やちか

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