ボクはとある地方に越してきて美容師をしています。
自称霊感があるお客様などによく「霊感強いね!」などと言われます。
自分では近いものを見てしまったとしても、これは目の錯覚だと思いきかせています。
お客さんにも「嫌ですよ、霊なんて見たことないですよー!」と言っても
「自分で気づいてないだけ、見てるわよ」
って言われて霊を見るよりそっちの言葉のが怖くなりました。
こんなことを言われるせいか、たまたまなのかわかりませんが、
働く美容室もいわくつきと言いますか、不思議なことがおこる美容室に就職してしまいます。
それは美容室Aで働くことになった時のお話しです。
給料もよく、スタッフの人数も多く楽しそうなのでここに決めたのですが、美容室Aがある場所は田舎のショッピングモールの中にあります。
そこは荒れ果てた空き地一帯の土地を整備して作られました。
インターの目の前なのに永らく使われずにいた土地です。
なんでこんないい場所が空き地なんだろうと言っていました。
最初は何事もなくサロンワークしていたのですが、徐々に後輩からも慕われ、毎日のように練習を見ることが多くなりました。
夜中0時を過ぎたある日でした。
お店の入り口からドアについている呼び鈴がなりました。
あれ誰か入ってきたかな、と思いましたが、後輩達がしっかり戸締りをしているため風か何かかなと思いました。
今思えば入り口は二重扉になっており、2つ目の扉に鈴がついているため風でなることはないのです。
またある日もいつも通り練習していると、ウイッグと言う練習用の首が棚から雪崩れのように落ちてきました。
棚にぎゅうぎゅうに置いていたわけでもなく、地震があった訳でもありません。
1つ自分でも気になってはいたのですが、何体もあるウイッグのなかのアップ用、まとめ髮用のウイッグがだんだんと柔らかくなっていくのです。
特に目が柔らかくなり、生気をおびていく感じすらします。
変な現象もきまって0時を過ぎるとなるので、みんなで話し合い0時前には帰宅しようと言うことになりました。
それからは何事もなくサロンワークをしていましたが、今度は昼間に変なことがおこるようになりました。
誰も入っていないトイレなのに、いつもカギがしまるんです。
カギがゆるくなって閉まりやすいという事で落ちつきました。
しかしお客様とカラーの色などカウンセリングしている時に
「これなんか似合いますよ!」
など言葉をかけると、
「うんうん、似合うね!」
と誰だかわからない第三者の声が聞こえてしまいました。
さすがに怖くなり、そこはしばらくして辞めてしまいました。
あとから知ったのですがそのモールの駐車場のはじにひっそりと祠があったそうです。
その祠は工事の時から移動しようとすると、なにか障りがおこるとかで撤去できなかったそうです。
私が経験したことと関係があるかはわかりません。
ただ、辞めた今でもそのモールにはいきたくありません。
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