消えゆく都市伝説・赤い紙青い紙

これは、まだ私が小学生の頃に聞いた話です。

70年代前半には、まだ学校のトイレの怪談と言えば、これが有名でトイレの花子さんなどという怪談は、誰も知らない時代でした。

戦後から十数年経った頃、とある山間にある小学校で起こった事件だったのだそうです。
当時は、洋式便器などは普及しておらず誰も知らない時代で、まだ男子がトイレで大きい方をするとからかわれるので、いつも誰も個室に入らないで我慢していました。
入ったのが分かると、変なあだ名がつけられ、いじめの対象となりました。
その小学校のAくんも、授業中に急な腹痛に襲われて、トイレに行かせてと言えないまま我慢し続けていました。

しかし、Aくんは堪え切れず、保健室に行かせてくれと嘘をついて、教師に許可を取り、すぐにトイレに駆け込んだのだそうです。
Aくんが用を足している時に、天井から落ち着いた女性の声が聞こえてきたそうです。

見上げてみると、赤い紙と青い紙を持った女性の腕がありました。

「赤い紙と青い紙のどちらがいい? どちらか選ばなければ、お前は死ぬ」

恐怖にかられたAくんは、しばらく悩みました。
そして怖さに耐えきれず泣きながら青い紙を選び取ったそうです。
Aくんは、それで尻を拭きました。

すると、その腕は消えたそうです。
あまりの怖さに、Aくんは慌ててトイレを飛び出して教室に戻り震えていました。
その様子があまりにもおかしいので、友人たちがからかわない事を条件に、その事をAくんから聞き出しました。

その後、その話は各地に広まり、死者まで出たそうです。
人々は、きっと赤い紙を選んだからだと噂しました。
赤い紙を選ぶと死ぬのだと……

この都市伝説は、50歳過ぎた方なら、懐かしいかもしれません。
今も、実は、ひっそりと各地でこの腕は出没しているのかもしれません。
何故なら、学校以外でもトイレで突然死する人が後を絶たないからです。

噂が広がると共に全国に広がる怪談。
真偽は定かではありませんが、それが都市伝説と言う物なのでしょうか?

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