儂は、病気でもう長くない。
儂は、善人面をした悪人だった。
何度も何度も殺人を犯した。
日本では、いや、海外でもそうだろうが、
殺人とは、
彼と会ったのは、戦時中の満州での事だった。
その中隊の中で彼と儂だけが生き残り、
彼と儂は、
それから30年以上経って会社も大きくなったある日、
彼は、
儂は、それ自体には異論はなかったが、彼は、
儂には、それが許せなかった。
ずっと一緒に育てた会社なのに……
だから、儂は、遺体が絶対に見つからないようにと、
その日の夜中に、彼をとあるビルの工事現場に呼び出して、
ビルが建てば、遺体も凶器も数十年、
しかし、彼は、次の日の朝には、会社に出社してきた。
儂は、目を疑った。
そして、それから再び殺人を計画し実行し、コンクリに埋めた。
だが、彼は必ず次の日には出社してきた。
しかも、
その繰り返しだった。
儂は、何度も計画を練り、何度も彼を殺して埋めた。
嘘だと思うなら、この後に埋めたビルや橋などを記しておくので、
彼は、まだ生きている。
この告白をしようと思ったのは、ある事を思い出したからだ。
あの激戦の満州で、儂は彼が何度も撃たれて倒れたのを見た。
そう、何故それを今まで忘れていたのか?
覚えていたなら、彼を殺すなど机上の空論だと分かっただろうに…