狐の嫁入り

私は、都市伝説や怖い話がとても好きなのですが、
私自身はあまり心霊スポットに行く事もなく怖い体験も全くありません。

ですが、幼い頃に一度だけ…不思議な体験をしましたので、
そちらの体験を投稿させていただきます。

あれは私が…まだ小さく保育園頃の話だったと思います。
突然、あまり覚えていない曾祖母のお葬式に出ることになったんです。

家は田舎の一軒家で、その頃よりもっと昔に遊びに来た記憶はあったので初めて来たという不安な感覚は全くありませんでした。

その日のお葬式後です。

精進落としで私はその食事を黙々と食べていたんです。
ですが私は子供で知らなかった事がありました。

私は海老を食べるとアレルギーが出るらしく、
その日知らずに私は海老を食べてしまったんですよね…。
食べた後…喉や体が痒くて息も苦しくなり、縁側に横になって意識を失ったんです。

恐らく、誰も私に声をかけなかったのは、
ただ寝ているように見えていたからだと思います。
意識を失っていた私でしたが、
ふと…シャランという鈴の音を聞いてパチリと目を覚ましたんです。

綺麗な鈴の音だと思い体を起こしたんですが、あれ?と思いました。
先ほどまでお昼でまだ明るかったはずなのに…もう空はオレンジ色です。
ですが、周りを見渡してまたあれ?と思いました。

何処を見ても葬式に居たはずの遺族が居ないんです。

父や母を探すも、その葬式をしたはずの大広間には誰も居なくて…
「あれ? あれ?」と混乱していたのをよく覚えています。
困ったと思い、また縁側に腰を掛けた時です。
シャラン…シャランとまたあの綺麗な鈴の音がしました。

今度は近い。
そう思い、その音を辿るように聞き耳を立てて顔を上げて見ると、
家の前の道路を歩く行列に目が行きました。
田舎で車の通りも少なく、車もよっぽどでなければトラックぐらいしか通らない…
その道に行列が出来ているのでポカンとしました。

綺麗な鈴の音がしていると、ポツリポツリと小降りの雨が振り始めたんです。
もう一度視線を戻すとボウっと火が浮かんでいました。

綺麗な炎がボウっとユラユラと揺れて、行列の足元を照らしていました。
夕刻で陰っていてよく見えませんが、大きな番傘がある場所に、
狐のお面をした黒無垢姿の人と、狐面の五つ紋付羽織袴を来た男がいました。

その前に提灯を持った小さい子供?が狐面をして歩いていました。

ボーっと眺めていると一人のお面を付けた男がコチラへ走り寄ってきました。
驚いて身構えていると
「お嬢ちゃん、どうして此処に居るんだい? 危ないよ?」
と聞いてきたんです。

何が危ないのか解らずにキョトンとしてから、私はそのお面をした男に言いました
「ここはワタシのひいおばあちゃんのおうちなの! だからあぶなくないよ?」
と言ったのを覚えています。

それを聞くとその男の人は困ったのか、
見えないはずが苦笑いを浮かべている気がしました 。

「そうかい…だが此処はお嬢ちゃんが居ちゃいけない場所だよ。大丈夫さすぐに戻れる」 戻れるとか良くわからない私は何なんだろう…
そう思っていると眠気が来て、そのまま眠りに落ちました。

「〇〇!帰るわよー…お婆ちゃんお爺ちゃん達にバイバイしなさい」
「っあ…はーい!!」
起きると母が起こしに来ていて、起き上がり周りを見れば遺族の方がいました。
戻ってきたとふと私は思いました…。

そのまま私は遺族に挨拶をして自宅まで、無事に帰りました。
私は今年で18になりましたが、最後の話しかけてきた男は一体何だったのか…
危ないとはどうゆう事だったのかもわからないままです。

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