私はビビりだ。
とある夏の事。
お盆休みに夫婦で5歳の息子を連れて、
そんな1日の事だ。
妻に言われて、息子を地元の夏祭りに連れて行く事になった。
青年団が主催する小さな祭りで、夜店も数件出ていて、
息子の「あれ買って。これ買って」
その夏祭りの一大イベントが悲しいかな、肝試しだった。
私は、その手の事が大の苦手だったので、
それが逆効果になった。
「お父さん、怖いんだぁ」 息子がニヤニヤしながら、私を見てきた。
「いや、遅くなるとお母さんも心配するからね」
結局、地元の人が1人ガイドしてくれるという事で、
肝試しのコースは、
石を置いて戻ってくるというも
順番が来て、
もちろん街灯の無い真っ暗闇を懐中電灯で照らしながら歩く。
参道の中間地点まで来た時に息子が先の暗闇を指さした。
「お父さん、おねぇさんがいる」
見るとたしかに真っ暗闇の中で1人の若い女性が佇んでいた。
ガイドさんが彼女に声をかける。
「どうしました?」 気が付くと、肝試しで先行した人たちも、
その若い女性がゆっくりと振り返る。
私は、叫び声を上げて、
出発地点まで戻ると、
私は、起こった事を説明した。
青年団の男性は、それを聞いて首を傾げる。
「おかしいですね? うちでは肝試しなんて企画していませんし、
私は、失禁してその場で気を失って倒れた。
そのまま私は、救急車で運ばれたそうだが、
妻の実家で寝かされていた。
その息子も今では高校生になった。 未だにその事で息子にいじられる。