姉の体験談

今思うと私も霊体験をしたことのある、子供の頃に住んでいたメゾネット型アパートでの、姉の体験談です。

姉の寝室は3階にあり、間取りは、北を上にして、左が廊下、右が壁、上が収納用の襖2つ、下が別の部屋へつながる襖となっていました。

北枕をさけ、南側となる下の方を頭にしていつも寝ておりました。

ある晩のこと。姉がいつものように寝ていると、疲れていたわけではないのに金縛りに。そして眠いながらも目が開いたため天井を見上げると、天井には縦書きの映画の字幕のように次から次へとお経のような字がすごいスピードでズラーッと出てきたんです。それと同時に、お経を唱える年老いた男性の声が耳に入って来ました。

え?!と思った途端にお腹がドスンと重くなり、そちらに目をやると、着物を着た白髪の老婆がお腹に乗ってこちらを覗き込むように顔を近づけて来ているところでした。

気を失いそうになりながらも、北側にある、いつも必ず閉めている収納用の襖が少し開いていることに気づきそこに視線が行った時、上下に仕切れる収納棚に年老いた僧侶が座っているのが見えました。

そこでついに気を失ってしまい、朝を迎えました。

僧侶が老婆から姉を守ってくれたのかは分かりませんが、その後はこのような怖い体験はしていないそうです。

そのアパートのすぐ裏手には国道が走っており、近くに交差点があるためか、事故も多いようで救急車のサイレン音がよく聞こえていました。

また、少し霊道についての知識がある友人に話したところ、壁はどうだったかを聞かれました。

姉の部屋の右側(東)の壁一面にはポスターがかなり貼られており、他の壁も収納棚などで埋まっていました。壁に空いているスペースがないと、一度入り込んだ霊が出にくくなる、のだそうです。この時たまたま、姉の部屋が霊道になってしまったのでしょうか?

この体験は30年ほど前の出来事で、その当時はよっぽど怖かったのでしょう、私に何度も繰り返し話してきたのですが、最近になって確認しようと話題にしたところ、怖い体験をしたことは覚えているのに内容を完全に忘れてしまっているのです。姉は40代なので老化現象には少し早い気はします。本人が覚えていると都合が悪いことでもあったんでしょうか?真相はわからないままです。

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