公園にいたのは・・・

オチのない話でありますが、投稿します。

私がまだ保育園に通っていた頃、その日は待ちに待った遠足でした。
遠足の2日前からお菓子をリュックに入れ、当日はお弁当を作ってもらい、
お気に入りのキャラクターの水筒を持って、ルンルン気分で保育園へ。

その日の遠足予定地は、みんなで歩いていくことの出来る公園で、
そこは大きな川のある、木がいっぱいの景色が綺麗な所でした。

公園に着いた後、みんなで整列をし先生のお話を聞き、
それからお昼ご飯までは自由時間。
私は、家から持ってきていた縄跳びで目一杯遊んでいたのです。

しかし、遊び始めてからしばらく経った頃、
私の体の左側から冷たい感じがしました。
なんだろう。
私は恐る恐る左側に視線を向けました。

公園には階段があったのですが、そこの一角におばあさんが座っていました。
私は、おばあさんの姿を見て、幼ながらに
「あ、これは見ちゃいけない」
と思ったんです。

そのおばあさん、両目から血を流して、胸の前で合掌をしながら、
遊んでいるみんなをぼーっと眺めていたのです。
ですが、誰も気づいていないのか怖がる子は誰もおらず、先生ですら何も言いません。

「あ、これは目があってしまったら大変なことになる」

私は怖くなり、今までルンルン気分だったのも忘れて、
ただただそのおばあさんにバレませんように、と震えていました。

ちなみにお昼ご飯の時間も、おばあさんはずっと同じ体勢で
同じ場所でぼーっと座っていたのを覚えています。

一つ違っていたのは、おばあさんの両目から流れる血が、
少し乾いていたような、いなかったような・・・

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