その山は、二束三文でうちの会社が買いました。
結構、街に近いのにとても安かった。
上司曰く、良い買い物が出来たと興奮気味に話をしていました。
うちの会社は、開発会社で、このように土地を買っては、
その山の元の持ち主は、上司が話を持ちかけに行った時、
私は、その山の開発の為に測量会社の人たちと、
山を削って宅地にする場合、
ですので、測量をしてもらい、ダンプ何台分の土砂を
運び出す必要があるかを調べてもらうのです
測量に同行して2時間もした位でしょうか?
山の中に朽ちた寺のような廃墟を見つけました。
私は、ふとそこから視線を感じた気がしました。
測量会社の人たちも、気味悪がっていましたが、その廃墟は、
測量では、20mずつ区切って測ります。
つまり、段々と廃墟が見えているのに、
近づくにつれて、みんな無口になっていきました。
やっと寺の廃墟の前まで測量が終わった時、
その時です。
測量の人たちが次々と倒れて行きました。
まるでみんなぐにゃぐにゃになったように…… 廃墟から声が聞こえました。
「山を壊す者よ、次に見た時は、お前も殺す。皆にも伝えよ」
測量会社の人たちが立ち上がり、
私に近づいてきました。
私は、大声を上げて山を下りました。
身体がぐにゃぐにゃなのに、白目を剝いた測量会社の人たちは、
あ~あ~
彼らは、まるで操り人形のような動きでした。
私は、泣きながら失禁までしていました。
捕まると覚悟したところで、私の記憶が途切れています。
気が付くと山の麓の道に呆然と立っていました。
測量会社の人たちも周りに倒れていました。
病院に運ばれた彼らは、皆、不思議な事に、
検死した医者も首を傾げていたとの事。
それを聞いた上司は、
彼は、
後で調べて分かったのですが、郷土資料によると、
何でも昔、その地域では墓を作る習慣がなく、
会社は、その山の開発を諦め、寺を修復して慰霊祭を開きました。
私は、慰霊祭にも参加しませんでした。
また行けば、骨を取られそうでトラウマになってしまっています。