新しい布団

この体験は もう30年以上前の出来事ですが、
今だに記憶に残るお話ですので、書いてみる事にしました。

その当時私は高校2年生くらい。
家には母、妹、弟。雑種2年程の雌猫と4年程の雄猫と生活していました。
私は霊的な存在は信じるも、まったくもって霊感ゼロの普通の女子高生でした。

ウチは間取りは6畳と4畳半と部屋は2つしか無く、
4人家族猫2匹で とても手狭なうえ、
各部屋には2つずつタンスが置かれ一層せまさを感じる部屋でした。

ある日、当時川崎に住んで居た祖母から
何やらデカくて柔らかそうな荷物が届きました。
私が受け取り、とりあえず置き場所を作り、
仕事から帰宅した母に荷物が届いた事をつげ1日が終わりました。

数日後、確かあの日は凄くお天気の良い日で
多分春先だったかな?
母が鼻歌を歌いながら、新品布団一式を庭の物干にぶら下げ叩いていました。

私はあの布団ウチにあったかな? などとサラリと頭によぎらせつつ
当時軽音楽部でベースにハマり、ずっと次のイベントの練習をしていました。

そうして その日は食事、風呂など終えて寝る時間に。
妹弟は4畳半に二段ベッドで寝ていて、
私と母が6畳で押入れから布団を出しいれして寝ている形でした。

当時私は今で言う煎餅布団で寝ていて、
朝起きると体が痛いような布団に寝ていましたが、
貧乏生活をしていたので黙って使うしかありませんでした。

ただその日は違ったんです。

母が機嫌よく 私に
「お姉ちゃんの布団1番古いから、新しい布団一式今日から使って」
私が母に、どうしたのこの布団?って聞いたら 母は
おばあちゃんが新しく買ったけど、使わないから勿体無いから貰ったの。
この前、送られて来た大きい荷物はこの布団」
との事。

皆は早々と寝ていましたが、私はベースの練習に夢中で、
アンプを使って居なかったけど隣で寝て居た母に
いい加減にしてうるさいと いつもの会話をして午前1時半過ぎ…
明日も学校だし寝る事にしました。

既に布団は引いてある状態で、ああ今夜から新品の布団一式 嬉しいなと思い
電気を消し布団に潜り込みました。
お日様の暖かい匂いと、なんか違う匂い?
気にせず眠る事にしました。

ちなみに、足元にタンスが有り 頭の上に布団の掛かっていないコタツを
布団を引くために移動して寝て居る感じでした。

寝て、多分1時間位かな…
足元のタンスの上の天井が変なんです。

そう感じた瞬間万歳で寝てた身体が動かない。
あれ?何?
そのまま視線だけは天井に、タンスの上の角しか見えないはずの所には
ドス黒い闇がタンスの幅程に出来ていて、
その闇の中にゆっくりとした流れさえ感じ始め、
怯え始めた頃 闇の中で赤い稲妻がチカチカ

これは何…

すると 隣の部屋で寝ていた猫達が私の視界に入る所まで近づき、
その闇をにらめ付け 威嚇し、聞いた事のない 唸り声をだし
横たわる私の腹部辺りで、にらめ合っていました。
数十分後その闇は徐々に薄らいでいきました。

そのまま気絶したか寝たのかはわかりませんが、
朝まで猫は私の布団の上で私をまるで守るかのように
でもなに食わない顔しており、母が2匹もお姉ちゃんの布団に居る何て珍しいね
何て笑って言ったので、夜の出来事を掻い摘んで話して学校に出掛けました。

そんなこんなで土曜日で帰りが早くなり家に帰ると、
母は仕事が休みだったらしく、昨晩の布団を干して
庭で何やらやってましたが、気にも止めず 相変わらずベースの練習をしていると
夕方布団を取り入れた母が衝撃の一言…
「粗塩たくさんまいたから‼︎」
私 はっ?と思い固まっていると。
実はこの布団、おばあちゃんの姉さんのお姑さんが寝たきりで使ってたんだけど
買い替えてすぐに亡くなったから、勿体無いからウチがもらったのよ。
塩まいたしどうする?」
と母。言うまでもなく元の煎餅布団に戻しました‼︎

粗塩だけで済むと思う母も怖いし、
布団を取り返しに来たのか分からない存在も怖いし… 。
ただ 猫は勘が鋭いとか その手の類が見えるのは本当なんだなって確信しました。

この後しばらくは小さな霊的な事に会いましたが、
今は気づかない様に 霊的な危ない所は避けて生きてます。

朗読: 怪談朗読と午前二時

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