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二階

私が体験した小さい頃の話。
私のおばあちゃんは、ある県のすごい田舎に住んでいました。
そこは貸家だったらしく、とても古かった記憶があります。

私が小学生の頃、母親と兄と三人でそのおばあちゃんの家に帰った時のことです。
時刻は夕暮れ。
昨日は雨で翌日の今日はとても蒸し暑かったと思います。
兄と二人で虫取りをし、帰ろうとした時のこと。
兄は近所のおじさん達と仲が良く、とても人懐っこい性格だったので
近所のおじさん達によく遊んでもらってました。

私はと言うと人見知りで内気なため、あまりおじさん達とも仲が良くありませんでした。
兄はそのおじさん達に取った虫を自慢するといい、おじさん達の集会所となっている神社に向かいました。
私は正直いきたくなかったので、「先に帰る」と言いおばあちゃんの家に向かいました。

自転車で1人、長い田んぼ道を抜けおばあちゃんの家の前に着きました。
おばあちゃんの家は二階建てなのですが、おばあちゃんは一人暮らしと言うこともあり、家を借りた時から二階は物置としても使っていないと聞いた記憶がありました。

自転車を直そうと門を開いた時。
二階に着物を着た、とても若い二十代くらいの女の人が
一番奥の窓辺に立っているのが見えました。
私は霊感などはなく、当時は誰だろう?と思っていただけでした。

家に入り、手を洗い、お腹がすいたのでキッチンの方へ行くと
おばあちゃんがテレビを見ていました。
私はさっきの女の人を思い出しおばあちゃんに訪ねました。
おばあちゃん。さっき二階に女の人がいたよ?誰なの?」
おばあちゃんはキョトンとしており、私の言っている意味が分かっていないようでした。

再び「二階に女の人がいたけど。誰なの?」と聞くと、
「二階には誰もいないよ」おばあちゃんはそう答えました。

私は確かに見たのでしつこく聞いていると、
おばあちゃんは少し怒り気味に「なら確認してきんしゃい」と言いました。
当時は私も子供だったため、少し興奮気味に二階へ行ったのを覚えています。

二階へ上がるための階段には天板?のような板が階段の途中にあり
そこを開き二階へ行くシステムでした。
私は天板を開け二階に行きました。

二階には何一つ物が置いてなく、カーテンすらかけていなかったので
夕日の光が差し込み優しい光が入ってきていました。
私が見た女の人がいた場所は一番奥の窓辺。
ということは一番奥の部屋。

私は二階に足をつき、奥の部屋へと向かっていきました。
障子には穴が空いており部屋の窓から光が指していました。
違和感?なのでしょうか。
障子に確かに私と異なるもうひとつの影が写っていました。

庭には大きな木が立っているのもあり、
それだと思いながらも障子を恐る恐る開けました。
そこには誰もいませんでした。

すると、ガラガラガラ。
誰が玄関をあける音に驚きました。
母親が帰ってきたようです。
その音に驚き急いで一階へ戻った記憶があります。

私は母親に抱きつき安心感を得ていました。
夕飯時、私は母親にその話をしました。
私がしつこく言うので、母親と兄と三人で二階へ行くことになりました。
また、二階への天板をあけ二階を覗きました。

夜で夕暮れの時のような光はなく真っ暗でした。
そのため母親が懐中電灯を持ってきて二階を照らして見ました。

あまりにも怖かった私は二階へ足を運ぶことは出来ませんでした。
すると兄がある異変に気づいたようです。

二階は一度も使ったことが無いので、すごくホコリが溜まっていました。
もちろん私の足跡がくっきりハッキリと写っていました。

しかし、奥の部屋へ向かった時の足跡はひとつだけでしたが、
奥の部屋から階段へ帰ってくる時の足跡。
私の小さな足跡の他に、足袋を履いたような足跡がついてきていました。
それもしっかり真後ろをついてきた様でした。
あまりの恐怖に三人共驚き、その日は三人一緒に寝ました。

次の日。
その日はうちへ帰る予定でした。
荷物を積み込み終わり、喉が乾いた私は一人キッチンへ水を飲みに行きました。
水を飲んでいると上からスタスタスタ、と人が歩く音がしました。
二階には誰も居ないはず。

その時の私には確認しに行く勇気はなく、走って帰るための車に乗り込みました。
おばあちゃんがお見送りしてくれたため、私は車の窓から身を乗り出して
後ろを向き手を振ろうとしましたが。
あの女の人がまた視界に入ってきました。

その時の女の人は昨日とは違い、化粧をし髪を結びとても美しい姿をしていて
こちらを見ていました
私はその時、恐怖と困惑で複雑な気持ちだったことを覚えています。

あの家にはもうおばあちゃんは住んでおらず、他の家に引っ越しています。
あの女の人もその時以来見ていません。
あの女の人は誰だったのか。
今でも全くわかりません。

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