​音の正体

これは私の友達が体験した不思議かつ怖い話です。

その日、友達は深夜の1時くらいに寝たのですが30分くらいで目が覚めてしまったようです。
すぐ寝なおそうと思って布団に入り直したら何か音が聞こえてくるのに気が付きました。

カンッ、カツンカツン……カンッ

何やら音の場所的に郵便受けに石か何かを入れているような音がしており、それがしばらく続いていました。
これはきっとやばいやつだ……。鍵掛けたっけかな、でも今行くのは怖いなあ、と不安になっていると
ガチャリ、と少し重たい扉が開く音が聞こえてきました。
慌てて自分は何も知らないぞ、という感じで寝たふりを決め込むことにしたそうです。
するとヒタリッ、ヒタッヒタッと足音が部屋に近づいてきました。

さすがに友達もこれはやばい、と感じ始めましたが今布団から出るなんて行為は絶対にできないし
もしかしたらこのまま殺されるのではないかとさえ考え始めていました。
ヒタリ、ヒタリ、とついに足音が部屋に入ってきてしまいひたすらに息を殺していました。
すると足音は友達の寝ている周りを何かを探るように歩き始めました。

いよいよまずいと感じてどうしたものかとぐるぐる考えていると足音が部屋から出ていきトイレとお風呂場の方へと行きました。

今のうちにとスマホを取り出し友達に何通か相談をしていると不意に足音が聞こえないことに気が付きました。
確かめに行って鉢合わせるのも怖いので、悩んだそうですが友達と連絡をとりつつ10分ほど経ってから
勇気を出して足音の消えていった方へ見に行きましたが人影など全くありませんでした。

しかし、家に入ってくる音は聞こえていたのに出ていく音が聞こえていません。
不思議に思い、初めに音が聞こえていた郵便受けを確認したところ、特に変わった様子はなく石など入れられてなどいませんでした。
そして、施錠もしっかりとされていました。

それでは扉の開いた音や足音は一体何だったのだろうか、と不思議そうに話してくれました。
寝ぼけていたにしては妙にはっきりとしていた感覚だったそうです。

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