私じゃない私

これを初めて目にしたのは、小学校低学年の時に家族ぐるみで
みなとみらいの某遊園地に行った帰り道の事です。

帰りにお父さんと手を繋ぎながら少し歩いて駅に着いた時に、
なんとなくふと下を見たんです。
そしたら地面のアルミ素材の様な所に自分が映ったのですが、
そこに映った自分は髪型も服装も違い、私は凄く驚いてお父さんに
「ねえねえ!ここに私と全く同じ顔なのに私じゃない女の子がいるよ!」
と訴えたのですが、父は笑って
「きっと疲れちゃったんだね、早く帰ろうか」
って手を引っ張り、そのまま私も見間違えかなってくらいでした。

しかしそれから数年経ち、小学校の修学旅行の数日経った日の夜 。
少しざわざわした声と女の子の泣き声で目が覚め、起き上がって辺りを見回すと
クラスの女の子(仮)Mちゃんが泣いていました。

他の子達がなだめていた中、状況がさっぱり掴めず 「どうしたの?」と聞きに行ったら、私の顔を見てその女の子がさらに泣きだしてしまい、
私も周りもパニックで先生を呼びました。
「〇〇ちゃん!こんな夜中に悪ふざけしちゃダメじゃない!」
と 私は怒られた中、皆も呆然としており、
取り敢えず今日は寝ようという事になりました。

次の日に事情を聞いてみたら、Mちゃんがぽつりぽつり話してくれた内容は
昨日寝てたら誰かの声がして目を開けてそっちを見たら、〇〇ちゃんがそこの柱の所に立ってたの。それで何してるの?って聞いたら何か言ってるんだけど聞き取れなくて、服装が違うって違和感を感じて、ふと〇〇ちゃんの方を見てみたら〇〇ちゃんが普通に寝てたの…」
と話してくれました。
そして私にも思い当たる節があったので
それって私と同じ顔だけど、身長がもう少し低くて髪型や服装の違う子?」
と聞いてみたら頷いてその後の事はあまり覚えて居ないのですが、
「その子は大丈夫だよ」と一件落着しました。

そしてその後も何度か見え、お母さんの霊感があるという友人に会ったところ、その子は私の姉だそうです。 私がお腹に宿る前にいた子、母が流産してしまった子。
本当かどうかは分かりませんが、その子が生まれていたら私が生まれて居なかった。
もしくは金銭的問題でその様に堕ろされていました。
最近は見ていないので、もしまた会えたら
「私のお姉ちゃんなの?」って聞いてみたいです。

朗読: かすみみたまの現世幻談チャンネル

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