私は19歳の頃愛媛県に住んでいる男性と遠距離恋愛をしていました。
ある日彼の家に泊まりに行った時、彼がドライブに連れて行ってくれました。
私が怖い話が好きな事を知っていた彼は、地元の山の中にある廃ホテルへ連れて行ってくれました。
行ったと言っても、さすがに気味が悪く、車を止めて車中からそのホテルを見ただけで、その後は山中をドライブしていたんです。
他の車とすれ違う事もなく、周りの景色と言っても山の中なので木ばかりで、怖いもの好きの私も少し気味が悪くて彼氏に「何か音楽かけて」と頼みました。
山から下りようと車を走らせていると、私の左前に大きな沼のようなものが見えてきました。
その沼には真ん中に赤い橋がかかっていました。橋の向こう側は木が生い茂っているようでした。
私は「この橋を渡るとどこに行くんだろう?」と思い、彼氏に「あの赤い橋渡ったらどこに行くん?」と聞きました。
すると、彼氏はすぐに車を止めて何とも言えない顔で私を見て
「橋が見えた⁈あそこに橋なんか架かってないよ。
ってゆーか、あの沼は赤い橋が見えるって、地元の怪談話を聞いたことがあるわ」
もちろん私は地元の話なんか聞いた事もなく見たままを伝えただけなんですが。
その後は音楽のボリュームをあげて急いで山を下りました。
私より彼氏の方が怖かったと思います。