5年前に霊感持ちの先輩から聞いた話です。
先輩は配達の仕事をしているかたで、朝から晩まで車に乗って1人で配達をしていました。
その日もいつものように荷物を積み込み、配達先に向かっていました。
午後8時過ぎ頃、国道を走行中 前の車に何か違和感を感じて、車間距離を縮めているとちょうど信号が赤になり、前の車が停車しました。
そして先輩の車もその車の後ろに止まりました。
さっき感じた違和感を確かめようと若干前のめりになりながら車を見ると、特に何も無く男性の運転手が1人で乗っている様子でした。
「……なんだ、気のせいか」
と姿勢を戻した時、前の車のバックミラーが見えました。
そこには運転している男の首に、後ろから腕を回して巻き付くように青白い顔をした女性がうつっていたのです。
はっとしてミラーから目を離し、運転席の男性を見ても、そこに女性の姿はなく、ミラーにだけうつっていたそうです。
その後信号が変わり、男性の車の後ろを付いているのが怖くなった先輩は、国道を離れ、脇道に入って行ったそうです。
その方にその後何かあったかは分かりませんが、先輩は今も配達の仕事を続けています。