仏間の棺

いつだったかは定かではありませんが、確か小学生の低学年の頃の出来事です。
対して怖くない上に短い話ではありますが、
私としては不思議な話だったので投稿させていただきます。

私の祖父母の家は某県の海と山に囲まれた田舎にあり私と私の家族は年に数回そこに帰っていました。
私は記憶にありませんが小さい頃、
私の曽祖父にあたる人からよく遊んでもらっていたようで今回の話はその曽祖父に関する話です。

私の祖父母の家には豪華な造りの仏壇があり私達家族は実家に帰るとまず仏壇にお参りすることになっていたのですが、ある年私が祖父母の家に帰省した時、その仏壇の前に棺が置いてありました。
その棺は、中に知らないおじいさんが入っており、幼い私にとって不思議ではありましたが、両親も祖父母も気にする素振りを見せなかったため、両親達に棺とその中の人について聞くことはありませんでした。
その後帰省するたびに、幾度かその棺と謎のおじいさんを見かけたのですが、普通のことなのだと思い、特に気にはなりませんでした。
そして、気づいた時にはその棺は無くなっており、私もその棺のことをすっかり忘れてしまいました。

それから年月が経ち、私が中学生の2〜3学年くらいの時、ふと、その棺とおじいさんのことを思い出し、
母に「じいちゃんの家にあったあの棺なんだったの?」と聞くとキョトンとした顔で「なにそれ?」
と、返されたのでおじいさん入っていたことや、
棺に関してのあれやこれやを問いただしていると曽祖父が、私とよく遊んでくれていたことを話してくれました。

曽祖父は死後も私に会いにきてくれたのでしょうか。

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