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葬儀

私が高校生の頃のお話です。

親戚の叔父が亡くなり、葬儀に参加していた時の事。

お坊さんが棺の前でお経を上げていたのですが、その際、いとこの姉の、7歳くらいの息子君が突然大きな声で泣き出したのです。

いとこがなだめようとするも、その男の子は一向に泣き止む気配もなく、見かねたうちの母親が、

「あんた、ちょっと休憩所に連れて行ってあげなさい」

と、私に子守を任せてきました。

仕方なく、私は母親に言われるがまま、泣き続ける男の子を連れ出し、葬儀場の中にあるロビーで休憩する事にしました。

適当に子供が好きそうなジュースをチョイスし男の子に渡すと、ようやく落ち着いてきたのか、一口、二口とジュースに口を付け、やがて嗚咽交じりの声で、私にこう言ってきたのです。

「あのね、おじちゃんの入ってる箱の……」

おじちゃんの入ってる箱、つまり叔父の遺体が安置されている棺桶の事です。

男の子は鼻をすすりながら、話を続けてくれました。

「箱の前にね、頭の大きなお坊さんみたいな格好をしたのがいてね」

頭の大きなお坊さん?お経を上げているお坊さんの事かと思い、

「お経をあげているお坊さんじゃなくて?」

と聞き返しました。

すると男の子は激しく首を二度三度横に振り、両手を一杯に広げ、目の前にある丸テーブルを掴みながら

「これよりも大きい頭のお坊さんみたいなのが、おじちゃんが入ってる箱の中に手を入れて、何か食べてたの!」

青ざめた顔の男の子はそこまで言うと、悲痛な顔をくしゃくしゃに歪め、思い出したかのようにまた泣き出してしまいました。

後で聞いた話ですが、叔父は定年退職後に家庭の悩みを抱え、欝を煩っていたそうで、

自殺だったそうです……。

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