私が高校生の頃のお話です。
親戚の叔父が亡くなり、葬儀に参加していた時の事。
お坊さんが棺の前でお経を上げていたのですが、その際、
いとこがなだめようとするも、
「あんた、ちょっと休憩所に連れて行ってあげなさい」
と、私に子守を任せてきました。
仕方なく、私は母親に言われるがまま、
適当に子供が好きそうなジュースをチョイスし男の子に渡すと、
「あのね、おじちゃんの入ってる箱の……」
おじちゃんの入ってる箱、
男の子は鼻をすすりながら、話を続けてくれました。
「箱の前にね、
頭の大きなお坊さん?お経を上げているお坊さんの事かと思い、
「お経をあげているお坊さんじゃなくて?」
と聞き返しました。
すると男の子は激しく首を二度三度横に振り、両手を一杯に広げ、
「これよりも大きい頭のお坊さんみたいなのが、
青ざめた顔の男の子はそこまで言うと、
後で聞いた話ですが、叔父は定年退職後に家庭の悩みを抱え、
自殺だったそうです……。