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引き込まれる

この話は、つい最近、私自身が体験した出来事です。

時間が経つと詳細を忘れそうなので、忘れる前にこちらに投稿させていただきます。
間取りと生活環境の都合で、自分の部屋と隣の部屋を分けている引き戸は全く使わないので、
引き戸を挟んで自分と家族のベッドを置いています。
自分が普段寝ている状態だと右手がその引き戸になります。

ここからが体験した話になります。
深夜、時間ははっきりしませんが、多分午前3~4時だと思います。
熟睡していましたが、意識がぼんやり戻ってきて、夢か現実かわからないくらい目覚めた頃、右手の指先になにか触っている感覚を感じました。
最初は、引き戸に手が当たっていると思って、手を布団の中に引っ込めました。

その時は、眠たくて目を開けて確認はしていません。
数分してまた眠りにつきそうになったとき、また同じように右手の人差指に感覚があります。
自分のベッドには愛犬が一緒に寝ることがあるので、今度は犬が来ているのかと寝たままの状態で軽く見回したら、
確かに犬は側で寝ていましたが左側の足元で寝ていました。
あれっ?と、不思議に思いましたが、すぐまた布団に首まで入って眠りました。
数分後、再び右手が引き戸に当たっているような感覚がします。
今度は、人差し指の爪の辺りを摘まれているのをはっきり感じます。

ここでやっと「久し振りに来やがったな」と、この世のものじゃないと確信しました。
自分は、ガッツリ見えるタイプではないのですが たまに自分だけ見えちゃったり、「ココで何かあったな」とか感じる、俗にいう霊感みたいなものがあります。
人差し指を摘まれるたびに手を引っ込めて、を5~6回繰り返していましたが、
そのたびに布団の中から手を引っ張り出されて人差し指を摘まれます。
そして、回を重ねるごとに段々腕の方に上がってきています。
摘まれるから、指を掴む、手の甲を掴む、手首を掴むという具合です。
指を掴む辺りから、見え始めたのは真っ白で血の気のない細い指の冷たい女性の手でした。
その手の出どころを確認すると、引き戸を突き抜けたように出ていました。
引き戸の向こう側には家族が寝ています、家族に引き戸から手をすり抜けるような事ができるはずはありません。
手首を掴まれるときには、その手も手首の上辺りまで出ていて白いトレーナーの袖が見えていました。
手首の上辺りをガッチリ掴まれたときには、流石にこれ以上はヤバイと思った瞬間に凄い力で引き戸の方に腕を引っ張られ、
このままだと引き戸の向こう側の世界に引き込まれると思い、 空いている右手でベッドを掴み、咄嗟に足元の名前を叫びました。
犬がこちらに向かって吠えると、白くて冷たいその手は すっ、と手を放して引き戸の向こうに消えていきました。

犬は暫く興奮というか警戒していましたが、一通り部屋を巡回すると 再び、スヤスヤと自分の側で眠りました。
やれやれと思い、自分も落ち着いてきたので「あれは何だったんだろう?」と 部屋の明かりをつけて自分の手を見たとき、手首には赤く手形がついていました。
自分は、そんな体験をした後なので眠れずに朝まで起きていました。
手に残っている赤い手形、引き戸に向かって猛烈に犬が吠えたことで、この出来事が夢ではなかったのだと改めて思いました。

あのまま引き込まれていたら、自分はどこに行っていたのでしょう?

朗読: 怪談朗読と午前二時

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